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ゴジキが振り返る2021年シーズンの巨人軍【3・4月】(野手編)

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
2021年シーズンの3~4月、セ・リーグは阪神の好調ぶりと横浜の連敗が目立つ形に。巨人は昨年からの流れを汲む安定した戦いで、阪神と3ゲーム差の2位と好位置に(5/1時点)。まずは野手陣からこの1カ月強の通信簿をお送りします。

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開幕序盤は丸の離脱などで貧打ながらも阪神に食らいつく

巨人は開幕当初、丸佳浩が新型コロナウイルスに感染したことにより離脱を余儀なくされた。だがこの状況の中でも、1番に入った松原聖弥が丸の穴を埋める形で、攻守に渡ってチームを引っ張った。それと相乗効果が出るような形で、開幕時不調だった梶谷隆幸も調子を上げていき、チーム全体の状態も上がっていった。
そして丸が復帰してからは、月間打率を3割に乗せて、シーズンの打率も2割台中盤にまで上昇した。このような主軸と若手が融合して高めあう姿は今度も見たい光景である。

新戦力による打線の火力不足解消なるか

年末年始に動き続けたストーブリーグだったが、エリック・テームズとジャスティン・スモークを獲得した。両選手ともメジャーで30本塁打以上を放ったシーズンがある実績者だが、類似したタイプが揃うことにより、バランスがあまり良くない点を懸念していた。

テームズは来日初戦(27日ヤクルト戦)の守備時にアキレス腱を断裂してしまい離脱することとなった。不幸な怪我ではあるが、これに対応する形で、開幕から好調かつ、オフに加入してきた選手とはタイプが異なるゼラス・ウィーラーの出場機会が増えることとなり、打線のバランスは良くなったと言える。

昨年の巨人打線はリーグ優勝こそしたものの、要所で火力不足と爆発力のなさ、強度のある球に対する弱さが露呈された。そうした欠点を解消する意図があって、新外国人を獲得したと思われる。

求められる役割は、阿部慎之助の引退やアレックス・ゲレーロの退団後からずっと欠けている、岡本の後ろを打たせる打者、そして7番あたりで振り回せる打者ということなのだろう。打線にある程度の厚みが出たことにより、5月以降の躍進が期待できる。

確立したい坂本・丸・岡本の打順

昨シーズンは、2番打者に松原のような「小回りが効く」イメージのある選手を置いた試合が多かった。個人的にはこれがベストオーダーとは考えていないが、この状態でもある程度勝ててしまっているので、変えづらい状況だった。

ただ、今年はGWに入る前に、2019年のように2番打者からチームの主軸である坂本・岡本・丸を並べた。これによりチャンスでの巡り合わせも早くなり、より効率的に得点を奪える形となった。この打順を確立することで、昨年以上に得点を積み重ねられる可能性が高まり、楽な試合運びができるのではないだろうか。

打線のコアとなる坂本・丸・岡本の3選手は、昨シーズンは期待以上のパフォーマンスを残せなかったとはいえ、試合数が20試合ほど減少された中で77本塁打(坂本19本・岡本31本・丸27本)を記録した(2019年は坂本40本・丸27本・岡本31本で計98本)。

高いレベルで安定した結果を残す彼らは、他球団からすれば今年も驚異に違いない。他球団の主軸と比較しても、その実績は一目瞭然だ。巨人のリーグ3連覇のためには、コア選手が他球団の主軸以上に圧倒的な成績を残すことが必要不可欠だろう。

以前執筆した「坂本・岡本・丸のコアの2020年振り返りと2021年の展望」はこちら↓↓↓

開幕当初から随所に見られた野手陣の層の厚さ

今シーズンの巨人軍は、野手陣の層の厚さを随所に見せている。
前述した丸の離脱中、またスモークの来日前に、松原や廣岡大志、香月一也といった若手選手が活躍した。コロナ禍の状況や、(開催されるなら)オリンピックもある今年は、このように入れ替わりが効く選手の存在は鍵となる。

これに関しては、「メークレジェンド」として語り継がれる大逆転優勝を果たした2008年が参考になる。小笠原道大やアレックス・ラミレスといった主軸がいたものの、阿部慎之助などが北京五輪で離脱した。ただ、坂本勇人や亀井義行に鈴木尚広、寺内崇幸らの若手が原動力となり、夏場以降に阪神との13ゲーム差をひっくり返した。今年も、この年のように層の厚さを発揮して、ペナントを制してほしい。

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