運気アップ!? 全国4000のパワースポットを訪ねた女性の秘話 | 辛酸なめ子 #16
「神様セックス」? 「女神をナンパ」?
先日、スピリチュアル系のセミナーに参加していたら、登壇していた女性が「神様セックスしてるし……」という言葉を発したのをキャッチ。
これは聞き逃せないワードだと思い、講義の合間に「あの、神様セックスって何ですか?」と伺うと、その女性、津田あゆこさんは「主要な神様とは大体お手合わせしてます」と、ほほえみを浮かべました。
経験値の高そうな美女の言葉には不思議な説得力が。「神様っていうと平将門とか菅原道真ですか?」と聞いたら「そんな最近の神様じゃありません。相手は国常立尊(くにとこたちのみこと)とか少名毘古那神(すくなびこなのかみ)とか神話に出てくる神様たちです」と、あゆこさん。
「でも、人間のほうが気持ち良いです。神様は基本淡泊なので……」
神様にもリビドーがあるとは驚きです。
そういえば先日、友人の友人の占い師の男性の驚きのエピソードを伺いました。その男性は、女神がいる神社に行って女神をナンパして、脳内イリュージョン的なことかもしれませんが、女神と性行為するそうです。夏祭りで異性をナンパするようなノリで神様を……そんなことが許されるのでしょうか。
神社でただ人間の願い事を浴びせられる神様は、実は孤独を感じていらっしゃるのかもしれません。神様との新しい関係性について探ってみたいです。今まで、お賽銭を入れて心の中で願ったり感謝するだけでしたが、もっと神様に好かれる方法があるのなら、実践したいです。
龍神ーー日本人の精神世界のポテンシャルを上げるための立役者
先日ちらっと「神様セックス」について聞いたあゆこさんに改めてお会いして話を聞いてみました。「天運アーティスト」として鑑定やヒーリングを行いながら、全国約4000か所のパワースポットや神社仏閣を訪ね歩いて浄化してきたという経歴の持ち主。今は著書を執筆中です。
世間のスピリチュアル系のブログを見ると、よく神社で神様と感応してグルグル体が回りはじめたとか、神様の声が聞こえたとか神秘体験が書かれています。神社好きの女性は多いですが、あゆこさんはもともとは神社には興味がなかったそうです。
42歳の時、霊能力があると見い出され、子どもの時に封印した力を開放。そこから龍神や神様とのご縁がつながっていったとか。
スピリチュアルのムーブメントもどこか俯瞰して見ていたあゆこさん。今までの流れを解説してくださいました。
あゆこさんも、龍神との縁が深いとか。私も先日、空に龍神っぽい不思議な光を見て高揚しましたが、ただ目撃するのとはレベルが違う関係性のようです。
あゆこさんの周りのスピ系女子の中にも龍婚(龍と結婚)したい人が出てきて、仲を取り持ったそうですが、よほどタフじゃないと、おかしくなってしまうケースがあったとか。とくに、自分は龍使いだと思い上がると危険で、現実と非現実の境目がなくなってしまうそうです。
神様に好かれる秘訣
龍の次は瀬織津姫(せおりつひめ)と縁ができて、祀られている神社を全国回ったそうです。「大祓詞」の四柱の祓戸の大神として登場する、罪や穢れを祓い清めてくださる神様です。瀬織津姫や龍神との関係が深まるにつれ「この世界ちゃんとやらなあかんってことやん」と思ったあゆこさんは、2016年から本格的に神社や聖地を回りはじめ、4年間ほど、月のうち20日はホテル暮らしだったそうです。生活の心配はなかったのでしょうか。
だそうで、フットワーク軽すぎです。日本の龍神が少なくなっていると言われ、琵琶湖で龍神の交尾&産卵を手伝ったこともあるとか。龍神は産卵で増えるんですね。
神様の頼みを断らない、それが神様に好かれる秘けつのようです。素人にはなかなかできません。
あゆこさんは、他にも封印された神様を助けたり磁場を清めるため、軽装で富士山に登ったり、洞窟にひとりで入ってたくさんのろうそくをともしたり、海に服を着たまま入って儀式をしたりと、全国で神様のお使いを果たしているそうで、恐れ入ります。
実は私も、数年ほど前、夢で「筥崎宮に行きなさい」とメッセージをもらったのですが、九州で遠いし……とそのまま放置してしまっています。
ここですぐ行くか行かないかが、神様に愛される人間になれるかどうかの分かれ道。「はい喜んで!」と迅速に行動しなければなりません。お賽銭を捧げて手を合わせておみくじでメッセージをもらう、といった一般的な神様との交流では得られない、ディープな関係になることができます。そこでついに「神様セックス」の話です。
「神様セックス」と「人間セックス」の違い
「この辺の神様、全部面通し済みです」と「日本の神々事典」(2012年の「ムー」の付録)をパラパラめくりながら、記憶を辿るあゆこさん。国常立尊のことを「ああ、国ちゃんね」と親しげに呼んだり、少名毘古那神のことを「男前」と言ったり親しそうです。あゆこさんが全国各地で神様の頼み事を断らず、浄化を続けていたある日、寝ているところに続けて神様が次々やってきたことがあったそうです。神様の夜這いです……。
早漏……なんて言ったら天罰ものですね。失礼しました。しかし、年代の新しい神様の中には、肉体の快楽を覚えていて、激しく求める人もいたとか。
こんなことを申しては何ですが、神様セックスは気持ち良いのでしょうか?
それは経験値の高いあゆこさんならではの直感でした。スピ系女子なら、神様と交合できるなんて! と舞い上がってしまいそうですが……。
神様の間で、やらせてくれる女と噂になって、毎晩のように来られてしまったら大変そうです。男の神様には対になる女の神様がいますが、神様同士はセックスレスなんじゃないかとあゆこさんは予想。それよりは人間のエネルギーを求めるようです。
淡泊でエネルギー交換が目的だという神様セックスと比べると、人間の体液まみれの行為が変態的で猥せつに思えてきます。「神様セックス」と「人間セックス」の違いは、ご利益。神様に体を捧げることで、様々な恩恵がもたらされるそうです。究極のアゲ◯ンです。
あゆこさんのめくるめく体験談を聞いてから、神社にお参りする時に妙にドキドキしてしまいます。ただ神様が性欲というか聖欲を抱く対象は、魂が清らかで浄化されている女性のようで……。
とりあえず今まで通り参拝するだけのプラトニック関係を続けようと思います。