今シーズンと同様に「三つ巴の争い」となった2007年と2010年のセ・リーグ優勝争いを振り返る
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今シーズンと同様に「三つ巴の争い」となった2007年と2010年のセ・リーグ優勝争いを振り返る

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
阪神・ヤクルトと首位争いを繰り広げる巨人。皆さん覚えているかもしれませんが、同じように「三つ巴の争い」となったシーズンがあります。それが2007年と2010年。前者は巨人が、後者は中日が最終的にリーグを制しています。その要因はいったいどこにあったのでしょうか?

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阪神を追い落とし、中日を振り切った2007年

第二次原政権の2年目の2007年は、シーズン終盤まで巨人、中日、阪神のデットヒートとなった。巨人は小笠原道大が加入し、内海哲也や高橋尚成を中心に投手陣も好調なことから開幕からチーム状態が良く、4月から6月まで貯金を5つずつ重ね、6月終了時点で貯金15で2位と4.0ゲーム差の首位に立っていた。しかし、夏場から投手が打ち込まれる場面が増え、しかもそれが小笠原が一時的に調子を落として得点力が低下した時期と重なったため7月を大きく負け越し、中日・阪神との三つ巴の戦いに巻き込まれていった。

8月、9月は3チーム譲らず、各チーム首位に立った。特に、阪神は9月に桧山進次郎が巨人の守護神上原から勝ち越しホームランを放って勝利し、翌日は久保田・藤川の勝ちパターンで9連勝を飾る。さらに次の試合では、アンディ・シーツがサードゴロを打った際に李承燁の足を踏む行為をした際に監督の原辰徳氏が激怒し、一触即発のムードに。阪神は、この激闘でまたも上原を打ち崩し、3タテで10連勝を飾った。巨人はその後の甲子園での試合でも敗れ、一時は3位に転落。

しかし、ここで食い下がらないのがこの年の原巨人だった。翌日の試合で内海が好投して阪神の勢いを止めると、逆に阪神はチームの勢いが一気に失速していき、ここから大型連敗を喫して優勝争いから脱落した。

リーグ優勝は、最後的に巨人と中日の一騎打ちになったが、直接対決の天王山1戦目はウッズの意表をつく盗塁や井端弘和の気迫の内野安打などで中日が勝利し、マジック7が点灯。次の試合もウッズが同点ホームランを放つが巨人は阿部や高橋由伸のホームランで突き放して勝利し、再度首位に入れ替わった。3戦目は初回に4点を許すが、李承燁が同点ホームランを放ち、最後は脇谷亮太が決勝ホームランで勝利。その勢いのまま02年以来のリーグ優勝を決めた。ただその後、クライマックスシリーズでは中日に敗れ日本シリーズ進出を逃すこととなった。

2ゲーム差に3チームがもつれる大混戦となった2010年

2010年も2007年と同様に、中日・阪神と熾烈な優勝争いを繰り広げた。巨人は長野久義が入団して打線に厚みが増したが、代わりに盤石だった投手陣が崩壊。セットアッパーだった山口鉄也が、先発に転向したものの失敗に終わって、シーズン途中から中継ぎに戻る悪循環や、越智大祐の勤続疲労、豊田清とマーク・クルーンの衰えが顕著だった。

先発陣では、東野俊はキャリアハイの活躍を見せたものの、内海が二桁勝利こそあげたが不調に終わり、セス・グライシンガーやディッキー・ゴンザレスも打ち込まれる場面が多々あった。その中で、シーズンを通して高いパフォーマンスを残したのが久保裕也だ。元々は器用貧乏なところのある投手だったが、球速が劇的に向上してフォークが活かされるようになり、キャリアハイの成績を残した。

阪神は、新加入のマット・マートンが1番打者として214安打と打率.349を記録し、2番の平野恵一もキャリアハイの打率.350。驚異の1、2番を形成した。3番に座っていたチームの顔鳥谷敬のはリーグトップの得点圏打率.360、満塁打率.500を記録するなど勝負強さを見せ、プロ野球史上で遊撃手としてはシーズン最多となる104打点を記録した。4番新井貴浩、5番クレイグ・ブラゼルも100打点を記録した。

特にブラゼルは、甲子園が本拠地ながらも47本塁打を記録するなど、西武時代を超える成績を残した。新加入の城島健司も、攻守に渡る活躍を見せて、打率.302 28本 91打点と元メジャーリーガーの底力を見せた。ただ、金本知憲は怪我の影響や年齢的な衰えが目立った。さらに、エース能見篤史の離脱などもあり、巨人と同様に投手陣を整備しきれなかった。

この年、巨人と阪神を押し除けてリーグ優勝を果たしたのは中日だった。落合中日の真骨頂は、この年にも発揮された。シーズン序盤は貯金を作るのが精一杯で首位巨人とは8ゲーム差をつけられていたが、夏場からじりじりと追い上げ、9月には巨人阪神を視界にとらえた。シーズン終盤の優勝争いにおける勝負強さは落合中日の特色でもある。

中日は、最終的にホームのナゴヤドームでは51勝17敗の勝率7割5分という、本拠地の特徴を活かした野球で強さを発揮した。中日は打撃型の巨人と阪神とは真逆で、前年最多勝の吉見一起と同じく前年最優秀防御率のチェン・ウェインを中心に先発ローテーションを形成し、勝ちパターンを高橋聡文、浅尾拓也、岩瀬仁紀で確立させることに成功。その結果、打高のシーズンだった中でチーム防御率は1位となった。

一方でチーム打率はリーグ5位で巨人・阪神ほどの力はなかったが、シーズンMVPに輝いた4番の和田一浩を中心に、要所で得点を積み重ねていった。最終的に2位阪神とは1ゲーム差、3位巨人とは2ゲーム差という大接戦で、10月までもつれるシーズンだった。

今シーズンは巨人・阪神・ヤクルトの上位3球団が優勝争いをしている中、どのような結末を迎えるか注目だ。

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