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【巨人軍参謀論】投手の異常な酷使を止めるために宮本投手コーチの体制を改革せよ

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
野球を始めほとんどのスポーツでは基本的に選手や監督にスポットライトが当たりますが、見逃してはならないのがコーチなどのチームを支える「参謀役」。強いチームにはえてしてこのポジションに優れた人間がいます。巨人の場合はどうなのでしょうか? 本連載でたびたび取り上げる投手運用の"元凶"にメスを入れる、必読の回です!

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2010年代黄金期の投手陣を支えた川口和久氏

2011年から2014年までの5シーズンにおいて投手コーチを務めた川口和久氏は、12~14年における3連覇の立役者と言っても過言ではない。
川口氏が在籍していた期間の巨人軍の投手成績は下記の通りである。

2011年:2.61(セリーグ2位)
2012年:2.16(セリーグ1位)
2013年:3.21(セリーグ2位)
2014年:3.58(セリーグ1位)

ここまで長期間においてリーグトップクラスの投手陣を管理し続けられたのは、原政権との相性の良さはもちろんのこと、投手運用面のマネジメント力があったからこそだろう。また、球界全体を見渡すと吉井理人氏など有能な投手コーチは他にもいるが、巨人軍のカラーや文化まで考慮すると、川口氏がバランス的に優れた人選ではないだろうか。

現状の球界の投手起用を見ると拙い部分も多く、そこを改善するだけでも勝率は高まる。監督だけでなく投手コーチにも、年間を通じたマネジメントや一戦ごとの起用法、コンディション管理、トレーニング、育成などを見る力が必要だ。

宮本和知投手コーチの運用力に改善の余地はあるのか?

現在の巨人軍の投手コーチを務める宮本和知氏には、運用力に大きな課題が見られる。現役引退してから現場を20年以上離れていたことも要因だと思われるが、ここまで運用力の無さを露呈するのはかえって稀である。

宮本氏の就任後にチームがリーグ2連覇を達成したことが、良くない影響を与えてしまったように思う。結果的には成功はしているが、起用法等のプロセスは全く良くない。だが、優勝という成果を基に勘違いが生まれているのではないか。これまでの投手運用を見ても、ブルペン陣に大きく負担のかかる起用法が目立っている。特に今シーズンは延長戦がないことからそれが顕著で、9回までに球団史上最多の9投手を投入する試合すらあった。また、1試合で6人以上を投入する試合も目立っている。こうした現状を見ると、運用体制以前に首脳陣の改革が必要なのは間違いない。

状況が読めないコロナ禍とはいえ、シーズンはトータルで見ても100試合以上はある。中継ぎや抑えとして登板する投手は登板試合数だけが見られがちだが、試合展開によっては毎日のようにブルペンに入ることもあり、これは異常な状況だ。勝ち続ければ勝ちパターン級が登板過多になりやすい傾向はどうしてもあるが、それ以外の試合でも同じように主戦級の投手を注ぎ込んでしまえば、負担が増えるのは火を見るよりも明らかだ。

肩が消耗品である投手からすると、準備をしていない日や登板予定がない日に急遽投げることになるのは、普通はありえない。異例のことである。この状況を変えていくことが今シーズンだけではなく、来シーズン以降の戦力にも大きく影響していくだろう。

他球団の名投手コーチ、森繁和・吉井理人

他球団を見てみると、落合博満氏が中日の監督就任時から退任までコンビを組んでいた森繁和氏は名参謀役だ。中日の投手コーチとしてナゴヤドームの大きなサイズを活かすための投手王国を築きあげ、落合氏が目指す野球を体現する立役者となった。その後は監督としても3年間指揮をとったが、なかなか結果が出なかった。そのパフォーマンスを見るに、落合氏の下で右腕として辣腕をふるう形がベストだったように思う。

また、パリーグでは、2016年の日本ハムが一つの代表例だ。パリーグ歴代2位となる11.5ゲーム差を覆したドラマ性にあふれるリーグ優勝と日本一の裏側には、栗山英樹監督だけではなく吉井理人氏の存在があった。吉井氏もまた、日本ハムの球団経営方針やチームカラーとかみ合ったことで彼の持つ良さがさらに発揮されたと言えるだろう。

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