【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.24
山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学』
各国の政策評価を詳しく検討してみた結果わかったのは、子どもにとって育つ環境はとても重要であるけれど、育児をするのは必ずしもお母さんである必要はないということです。
加藤政洋『敗戦と赤線』
状況の特異性に還元したり、あるいは自然に発生したと見なしたりすれば、都市空間のポリティクスは見落とされがちになる。特定の状況に置かれた状態を認めつつ、集団売春街を発生させ、存続させた要因をきちんと見定めることは、いまだ必要な作業だろうと思う。
三砂ちづる『オニババ化する女たち』
抱きしめ、抱きしめられるような挨拶はしていなくても、もっとお互いにふれていた。公衆浴場がなくなり、縁側がなくなり、施設出産するようになって、お互いのふれあい、自らの身体性の確認、といったことを、指から砂がこぼれ落ちるようになくしてしまったのではないかと思います。
明石真『体内時計のふしぎ』
本来は私たちの生存を有利にする体内時計ですが、現代のような昼も夜も不明瞭な人工的な時間環境においては、むしろ病気の原因をつくりだす環境的要因になることは、医学・生物学の研究者の間ではよく知られた事実となってきています。
円満字二郎『心にしみる四字熟語』
四字熟語とは、単に漢字四文字が並んでいるだけではダメなのだ。日本語の文章の中で、いろいろな人々によってくり返し使われる、慣用表現でなければならないのである。日本語の文章表現としての四字熟語は、そうやって誕生していく。
太田省一『SMAPと平成ニッポン』
他人と比べられない「オンリーワン」であることを肯定する歌詞の内容は、識者や評論家などから現代の世情、個性の大切さなどに結びつけて、当時さまざまに論じられた。だが「オンリーワン」であることを実践してきたのは、誰よりもまずSMAPであった。
藤野英人『さらば、GG資本主義』
意外なことに90年代以降、業績を上げられず景気の足を引っ張ってきたのは、大企業なのです。ジャスダックや東証2部に上場しているようなベンチャーや中堅・中小企業の多くが、デフレ経済下でもしっかりと結果を出し、株価を上げています。