【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.38
笹山尚人『人が壊れてゆく職場』
裁判しかり、労働組合への加入と行動しかり。アルバイトだろうが、派遣だろうが、そんなことは関係ないのである。一人一人の労働者が働く権利を持っており、尊厳を持った一人の個人であることに変わりはないのだから。
北村文 阿部真大『合コンの社会学』
祖父母の時代にお見合いで、あるいは両親の時代なら職場で、巡りあっていたような、社会的にも経済的にもバランスのとれた男女が知りあうことそれ自体は、今も容易だ。しかし私たちは、出逢えればいい、結婚できればいい、というわけではない。そこに、物語がほしい。
的場昭弘『ネオ共産主義論』
共産主義思想には、個人の自由を徹底して制限するものもありますが、まったく制限しないものもあるということです。そして、それらがひとくくりに共産主義(あるいは社会主義)とされてしまうところに、誤解を生む土壌があるのです。
池内紀『となりのカフカ』
勤め先から帰ると、少し仮眠をとり、夜中にせっせとノートに小説を書いていた。書きつづけるために独身を選び、家庭の幸せをそっくり捨てた。一見のところ謙虚だが、背中合わせに野心家カフカがいたはずだ。いずれ自分の時代がくると、かたく心に期していた男ーー。
酒井亨『哈日族』
植民地(主義)という形態は、いまとなっては否定されるべきものである。だからこそ日本の植民地時代が良かったということは絶対にできない。ただし、台湾の特殊なところは、台湾人にとって日本だけが植民地だと感じられたわけではなかったことである。(酒井亨『哈日族』より)
初見健一『子どもの遊び 黄金時代』
おそらく60年代後半までは、男の子が「お人形さん遊び」に夢中になるなど考えられなかっただろう。これが一変するのは、「ウルトラマン」人気が高まったころだ。ソフビの怪獣人形の登場である。これが日本の「フィギュア史」の幕開けだったのだと思う。
林則行『「銅メダル英語」をめざせ!』
銅メダル保持者は、英語を道具として使っているだけです。英語が好きで使っているわけでも、英語のプロでもないので、その人たちが英語について本を書いたり、啓蒙活動したりすることはありませんでした。そのようなわけで、銅メダル英語の意義は、なかなか気づかれなかったのです。