昨シーズン二冠王の巨人・岡本和真に求められる「進化」
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
2021年シーズンの足音が少しずつ近づきつつある今日この頃。昨シーズン、セ・リーグの本塁打王と打点王の二冠に輝いた岡本和真選手の今年の課題と展望を、大きな期待を込めて考察します。
昨シーズン二冠王達成も、本人は全く満足せず
2020年シーズン、本塁打王と打点王の二冠王に輝いた岡本和真。三塁手としての守備力向上も見られて、セリーグ屈指の三塁手そしてスラッガーになったと言える。ただ、岡本に求められる成績はこんなものではない。現状に甘んじることなく、3割40本塁打100打点を常に記録するような選手にならなければいけない。それが巨人軍の4番打者として求められるレベルである。本人も自覚はあるのだろう、下記のコメントからも視座の高さを伺うことができる。
「自分の目標に全部達していないので。納得いく数字には30本いって良かったですけど、全部自分の目標にするところではないので悔しい気持ちもありますし…。まあでも、その中でも優勝できたことが一番うれしいので自分個人のことに対して良かったなって思うことはないです」
(下記記事より引用)
さらなる高みのために求められる「柔」と「剛」の最適バランス
岡本が今よりワンランク上の打者になるためには、調子が良い時のフォームのバランスを維持することや、懸念であるトップを作る時の遅さを解消していき、速い球にも対応できるようになることが必須である。
キャリアで唯一打率3割を残した2018年のような打撃の柔らかさは、2019年シーズンから陰を潜めている。原因は、一発を狙いすぎるが故にフォームが力任せになっていることにある。さらに、セ・リーグのエース級あるいはソフトバンク投手陣のような一定水準以上のボールには対応できず、彼ら以外の投げる半速球や緩い球を長打するシーンが多い。
「4番打者」として、ランナーを置いた場面で四球を選ぶのでは打点を積極的に狙っていくのみならず、従来の内川聖一や谷佳知のような柔らかさを自分のものとし、2018年のような「柔と剛のバランス」をとることが、ワンランク上の選手を目指す上での鍵となる。
岡本は現在24歳で、そろそろ若手から中堅に差し掛かる。すでに、かつて広島の4番を担い巨人にも在籍していた江藤智のレベルには達している。充分にすごいことではあるが、打率3割を残しつつ35〜40本塁打を残すような選手になれるだけの素材だ。ゆくゆくは小久保裕紀のように3割40本塁打を記録した上でチームをまとめるキャプテンシーのある選手になることを期待している。
たどり着いた先にあるのは、往年の巨人のスター選手である長嶋茂雄や現監督の原辰徳のような「4番サード」の花形の座である。岡本がそこに登り詰めていく可能性は高い。