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フットボールを分析するための必須能力「視ること」(observation)について|サッカースカウトが見る現場目線のフットボール vol.11

お知らせ

この連載をもとにした書籍『スカウト目線の現代サッカー事情』が2024年2月15日に発売されます!書下ろしも含めて大幅な加筆修正を行いました。ぜひチェックしてみてください!

イングランドのプロクラブでサッカースカウトとして活動する田丸雄己(@scoutyuki)さん。
現場目線でフットボールの今を伝える連載の第11回は、試合においてスカウトが選手のどこをどのように「視て」いるのか、その神髄を伝えます。試合開始前に、開始直後にやるべきことは何か。見逃してはいけないものとは。良いプレー、良い選手はどのように定義され、重みづけされるのか。この記事を参考に試合を視れば、あなたのスカウトキャリアの第一歩に?

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’You see but you do not observe’

221B Baker Street。この住所はフットボールとは関係はないが、探偵シャーロック・ホームズが助手のワトソンと下宿をしていた場所だ。フィクションの存在だが、名探偵として世界的に知られる彼の名言に、’You see but you do not observe’というものがある。直訳すると、「あなたは見ているが、観察していない」だ。事件現場に残された痕跡にただ目を通すだけでなく、それを観察しなさいとの意である。

この名言はイギリスのスカウトも会話の中で出すぐらいフットボール界でも知られている。じっと画面やピッチを見るだけでなく、観察しなさいと。ただ、これだけだと「へー探偵っぽい名言だなー」くらいの感想でしかなく、ただ目にすることと注意深く観察することの違いは正直よくわからないと思う。スカウトをしている中で「深く見ること」とはどういった行為を意味するのであろうか? 今回の連載では、スカウトの仕事のコアとも言える”Observation”=「観察、視ること」についてスカウト目線で話をしていく。毎度毎度のことだが、個人差があること、そしてイングランドのスカウティングを基にした話であることはここでも強調しておく。

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