【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.16
河野哲也『暴走する脳科学』
何が怒りであり、何が愛であるのか、何が記憶であり、何が言語表現であるのかは、私たちが主観的に判断する以前に、言葉の意味のように社会的に規範化(コード化)されている。私たちは、そのルールを学んで、それにしたがって自分の行動をある種の感情として分類し、判断する。
清水泰博『京都の意匠空間』
中庭にも「透けた」空間は感ずることができるのだが、ファサードである軒先空間の連続した外部空間でも、違った意味での街と家のあいだの中間領域を味わうことができる。それは軒先という家の空間の一部でありながら、都市に開いた場の雰囲気である。
阿辻哲次『漢字三昧』
文字とは本来、それぞれの字が固有の意味をもつものだった。しかし多くの文字が、さまざまな時期に、さまざまな理由で本来もっていた固有の意味を失い、単に発音を表すだけのものとなった。そしてとうとう、今も表意文字でありつづけているメジャーな文字は漢字だけとなってしまった。
谷口義明『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』
私たちは太陽の恵みを受けて生きている。太陽は星の一つだが、星も重力のおかげで生まれた天体である。そして、この星の誕生が、じつはブラックホールの誕生にも繋がっているのだ。
大野茂『サンデーとマガジン』
サンデーに特徴的なのは、少年と同じ目線、一緒になって面白がる目線である。マガジンが、大人の目線に子どもを引き上げる戦略をとっていたのと対照的である。
西林克彦『わかったつもり』
浅いわかり方から抜け出すことが困難なのは、その状態が「わからない」からではなくて、「わかった」状態だからなのです。
ファブリツィオ・グラッセッリ『ねじ曲げられた「イタリア料理」』
いい食べ物とは、国や地域や伝統に縛られるものではなく、きちんとした方法で作られた(あるいは獲られた)食材を使い、正しいやり方で、食べる人の健康と幸福を考えて調理されたもののことを指すのであって、流行や、まして値段などに左右されるものであるはずがない。