【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.44
小林亜津子『生殖医療はヒトを幸せにするのか』
かつては「自然」に受け入れられていた「不妊」も、新たな技術の登場によって、治療できる「疾患」と見なされるようになっていき、「子どもがいないこと」への「あきらめ」や「受容」、あるいは「子どもをもたない」というカップルの選択を難しくしてしまっているようにも思われます。
島田裕巳『お経のひみつ』
仏教の教えが多様であるということは、いい加減であるということでもあるが、一方では融通無碍であるということでもある。
仏教は、時代に応じて、それが受け入れられた地域に応じて、その姿を変えていく。変えることによって、それぞれの時代、それぞれの地域の人間を救っていく。
鳫咲子『給食費未納』
給食は、子どもの貧困に対して、食事という現物を支給する制度として有効です。今日においても、なお経済的な理由によって生じる子どもの食生活の格差は大きく、学校給食という公共食には、その格差を縮小する機能があります。
塚本潔『韓国企業モノづくりの衝撃』
韓国を訪れる外国人記者が必ず口にするのは、「韓国はダイナミックだ」ということだ。韓国人自身も、ワールドカップのときに、「ダイナミック・コリア」という言葉を使っていた。これは国民性・文化の違いもあるのだろうが、日本が「静」の国だとすれば、韓国は「動」の国だといえる。
山本葉子 松村徹『猫を助ける仕事』
飼いたいという意思がある以上、愛情があるのは当たり前といわれそうですが、行政の保護施設へ猫を持ち込む人の二割は飼い主自身だという事実を忘れてはなりません。
田中周紀『飛ばし』
「飛ばし」は日本人が持つ恥ずべき伝統の一つであり、とうに時代遅れになった高度成長期の成功体験を振りかざす"老害経営者"や、何も考える能力を持たないお気楽なコネ入社の経営者が居座り続ける限り、いつまで経っても何かしらの形で生き延びるだろう。
小出宗昭『掘り起こせ! 中小企業の「稼ぐ力」』
中小企業の社長さんたちは生き残ることに必死で余裕を失っています。そのために、足もとに目が向かないのかもしれません。それに、自社の実態や製品をよく見ているのですが、距離が近すぎて本当のセールスポイントに気がつかないのです。