東京五輪で侍ジャパンが金メダルを取るために求められる「対策」
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東京五輪で侍ジャパンが金メダルを取るために求められる「対策」

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
東京五輪でのメダルが期待される野球「侍ジャパン」。明日いよいよドミニカ共和国との初戦を迎えますが、大会を通じて鍵になるのが細かなディテールです。相手選手の対策や会場への慣れなど、目には見えない細部が勝負をわけることも。日本代表が対策すべき点はどこにあるのでしょうか?

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外国人特有のフォームの違いへの対策

これまでの国際大会でも、相手投手の投げる球質の違いはもちろんのこと、外国人特有のモーションの早さに苦労する場面が多々見られた。

2017年のWBCでメジャーでの経験も豊富な青木宣親が出場した際には、他の野手陣に対してこの、外国人のフォームの違いに言及していた。その後の全体練習でも近距離で打撃投手に投げさせるなどの工夫も取り入れ、4大会連続のベスト4以上という結果につながった。

このエピソードに関する、当時のコメントが興味深い。

"あれは青木(宣親)選手の提案。メジャースタイルですよね。外国人投手はモーションが速く、球が動く中で、日本人のようにゆっくりタイミングを取っていると、どうしても間に合わない。だったら、近い距離から(投げる球を)自分のタイミングでどうやったら打ったらいいのか、外国人投手を想定しながらやるということを取り入れた方がいいんじゃないですか、という話がありました"

もちろん国際大会の場合は他国からすれば日本が「外国」にあたるので、こちらに優位に働く面もある。例えば珍しいアンダーハンドの投手、渡辺俊介や牧田和久などにはこれまで多くの外国人打者が苦労してきた。アンダースローに限らず、日本人特有のワンクッション置く投球フォームも見慣れておらず、比較的通用する。そもそも、これは日本人投手がメジャーリーグで活躍する際の一つの要因でもある。逆に外国人投手はワンクッションを置かずに早いフォームのため、球速以上に速さを感じる可能性がある。そのため、日本の打者はいつもより始動を早めていくなどの対策をしたい。

横浜スタジアムで試合する際の注意点

今大会は横浜スタジアムが主催会場であるという点も、注目すべきポイントである。まずは、照明である。2015年のシーズンからLED照明になった横浜スタジアムだが、当初は選手からも眩しすぎるという意見が続出。実際、選手たちが目測を誤る場面もあり、当初は多くの物議が生じた。

今では多くの選手がこのLED照明にも慣れてきているとが、このことが日本代表に追い風となるかもしれない。五輪開催前に元日本代表の宮本慎也氏がコメントしていたが、他国の球場はフライが見づらいそうで、今回の東京五輪では日本以外の選手がフライの見づらさという難点を抱えた上でのプレーとなる。細かいことだが、こうしたことが勝負を左右することもあるので(それこそ、日本には落球が勝負に直結した北京五輪の苦い記憶もある)注目したい。

また、横浜スタジアムはホームランが出やすい球場だ。球場の特性を評価するパークファクターを見ても、他の球場と比較してホームランが出やすい傾向にある。加えて、馬力のある外国人選手が集まる大会なので、投手陣は安易に一発を与えることは禁物である。いつも以上に注意を払う必要がある。

プレミア12で得られた接戦を制する攻略法

東京五輪の前哨戦となった2019年プレミア12では、戦い方に「日本らしさ」が出た大会でもあった。オーストラリア戦では、リードを許す展開だったが、俊足で知られる周東佑京が代走で出場して二盗・三盗と難なく成功し、源田壮亮のセーフティスクイズで同点に追いついた。長打や一発が出るに越したことはないが、1点を争う場面ではこうした小回りが効く選手の使い方も鍵になっていくだろう。

今回選出された選手であれば、鈴木誠也や柳田悠岐、浅村栄斗には長打や得点を生み出してもらうことに注力してもらいつつ、小回りが効く源田や国際大会に強い菊池涼介のようなタイプを上手く活かしていくのがポイントだ。特に菊池は国際大会にめっぽう強く、プレミア12の初戦でもリードを許す場面で同点タイムリーを放っている。今年のオールスター戦でもMVPに輝いており、勢いのあるプレーに期待したい。

投手陣はプレミア12で盤石だったが、今回も同じようにうまくいくか注視したい。プレミア12では會澤翼がほとんどの試合でマスクを被っていたが、東京五輪は怪我のため辞退。その結果、甲斐拓也または梅野隆太郎がマスクを被ると見られている。直前の強化試合を見ると、甲斐がマスクを被る確率が高いと思われたが、ソフトバンクを中心としたパ・リーグの投手陣に対しても一点張りのリードが目立った。田中将大を上手くリードした梅野の方が代表投手陣をうまくリードできるイメージが湧く。

また、山本由伸を臨機応変に先発だけでなく経験のある中継ぎでも使っていくことや、変則投手の青柳晃洋を起用するタイミングがポイントになっていくだろう。東京五輪の前哨戦でもあるプレミア12から2年が空いたが、野球王国日本の意地とプライドを賭けて、金メダルを獲得してほしいと願っている。

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