【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.6
若新雄純『創造的脱力』
僕は、本当に変革が必要なのであれば、なんでも過剰に白黒をつけようとする「勝負」や「答え探し」はもうやめた方がいいと思っています。それよりも、硬直したシステムや複雑な人間関係を「ゆるめる」という脱力的なアプローチが大切なのです。
赤瀬川原平『個人美術館の愉しみ』
絵がうまいというのは、その先で「うまいだけ」ということにもなりかねない。絵の技倆というのは「うまい」が頂点だけど、その頂点は刃先みたいなもので、油断するとそこから滑り落ちる。
井上智洋『AI時代の新・ベーシックインカム論』
日本人は、人生を美しく生き過ぎるところがあり、私はそれを好ましく思わないでもない。だが一方で、這いつくばり、姑息に振る舞い、生き恥をさらしてでも生き抜くべきだという思想がないと、追い詰められた人が自ら命を絶つような悲しい出来事は減らないだろう。
森村泰昌『自画像のゆくえ』
つまりカメラ付きケータイとは、一眼レフカメラを携帯電話に組みこんだのではなく、"持ち歩くプリクラ機能"が当初から想定されていたということだ。そしていうまでもなく、プリクラとは他者を写すことではなく、むしろ使い手が自分自身を写すことに特化したゲーム装置なのである。
町田健『ソシュール入門』
品詞分類というのは、文法を解明するためになくてはならない考え方なのでして、コトバにどんな品詞があるのかがわかったということは、人間がコトバの本質を知ることにまた一歩近づいたということなのです。
廣中直行『アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?』
売れるモノとは、真摯な努力によって開発されたモノ、職人の技によって丁寧に生産されたモノ、それを持つことがあなたのためになると本気で信じている人がコツコツと真面目に売り歩くモノである。
鈴木洋仁『「ことば」の平成論』
誰もが、「平成には、何かがあるぞ」と思っています。そして、その〈本質〉をつかもうとします。しかし、つかもうとすればするほど、手からすり抜けてしまう、それが「平成」です。