アートとフェミニズムは誰のもの?|馬場紀衣の読書の森 vol.31
18世紀の後半に女性の政治参加を求めて始まったフェミニズムは、さまざまなトピックと結びついて社会に浸透しつつある。今や議論の中心にいるのは女性だけではない。子どもにも男性にも開かれたこの言葉を耳にしない日はないし、火種はあちこちにくすぶっているし、というわけで、それに対して好意的であれ否定的であれ、無視はできない状況にある。ただ、それが「何か」と問われると、ぼんやりとした印象があるばかりでよくわからないという人も多いのでは。現代アートもそう。どちらも分かりづらく、すこし窮屈で