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パパの家庭進出が、ニッポンを変えるのだ!

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ソーシャルマーケター、そしてnoteの人気クリエイターの前田晃平さんが、光文社新書noteに登場。パパになって初めて気づいた日本社会の不平等を、エモい実体験とカタいデータを組み合…
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#光文社新書

人の「幸せ」とは選択肢の多さなのか? 考えてみたら、完全に逆だった件

人の幸せとは何か、と問われれば、その答えは決まっています。 人それぞれ、です。 しかし、社会課題を解決することをミッションとしたNPOに勤めている身としては、最大公約数的な人の幸せとは何か、考えずにはいられません。 そんな中、最近ネットで「幸せ」について、下記のような意見をよく目にするようになりました。 人の幸せとは、人生の選択肢が多いことだ。 ふ〜む… ここでいう選択肢とはおそらく、キャリアや生き方、そして購買、などなど、様々あるのでしょう。 多様性が重要な社

少子化の原因を超長期トレンドでみたら、家族の多様性が不可欠なことが判明した

ついにキタ。 2019年、日本人の国内出生数は86.4万人となり、初めて90万人を割りました。 永江一石さんもブログで書かれていますが、本当にヤバイ。 あと15年で九州と四国の人口分が消滅する日本。 この10年の人口減少は400万人だが、 これからの10年では800万人減り、 そのあとの10年では1000万人近く減る。 自分もだし、娘なんてもっと過酷な状況を生き抜いていかねばならんのかと思うと憂鬱になってしまうわけですが それに拍車をかけるのは、政治家の方々のあまり

社会は「変わる」のではなく、変えるもの。みんなで、変えるもの

> 光文社新書note読者の皆さまへ 私たちが働きながら子育てができるのは、保育園や幼稚園、そして、学校の先生たちのおかげです。先生方が真摯に向き合ってくださるからこそ、子どもたちは親元を離れても活き活きと様々な刺激をもらい、親でも驚くような成長をします。本当に、頭が上がりません。でも、そんな私たちにとってなくてはならない保育教育現場では、子どもたちへのわいせつ行為が、あろうことか、過去最高になっています。この現状、絶対に、変えねばならないと思います。 「誰も……、いない

本当は、パパだって子育てしたいんだ……!!

まだ娘が生まれる前、妻の妊娠中の話。 私が住んでいる東京のある地域では、「ハローベビー教室」という自治体主催のイベントがあります。初めて子育てをする妊娠中のママとパパを対象としたもので、赤ちゃんのお風呂の入れ方やら抱っこの仕方やらを、助産師さんたちが教えてくれます。 いいイベントですが、イケてない点がひとつ。平日の昼間開催だったのです。これでは、産休中のママや自由業のパパは参加できても、平日勤めのパパの参加は困難です。幸い、私は子育てに理解ある職場に務めているので、有休を

いったい、僕は何と戦っているのだろう。 ちょっとだけ弱音をはく。 「社会を変える」のラスボスについて

今回は、誠に情けないですが、ちょっとだけ弱音をはかせてください。端的にいうと、現在取り組んでいるソーシャルアクションが苦境に陥っているのです。 私たち認定NPO法人フローレンスは現在 #保育教育現場の性犯罪をゼロに を掲げて活動しています。具体的には、保育・教育現場で働く人に「無犯罪証明書」の提出を義務化すること(=日本版DBS)を政府に訴えています。 ベビーシッター、保育士、そして教師らによる、児童への卑劣な性犯罪が後を断ちません。諸外国では、子どもと関わる仕事をする人

子ども達を性被害から守る仕組みを作るには、もっと犠牲が必要ですか? #保育教育現場の性犯罪をゼロに

呼吸が苦しくなるような事件が起きました。しかも、立て続けに。 ベビーシッターマッチングサービス大手企業の登録シッターが、派遣先の子どもに対する強制わいせつ罪で逮捕されたのです。 保育サービスを運営する組織の一員として、そしてひとりの親として、今回の事件はまさに背筋が凍るものであり、全く他人事とは思えません。 二度とこんな悲しい事件を起こさせないためにはどうすればいいのか、自分なりに考えてみました。すると、同社だけでなく保育業界全体の構造的な問題があることがわかったんです

自己責任論 VS みんなで支え合う論。 経済的にお得なのはどっち? データに基づいて検証してみた結果…

和の国、なんて言われることもある日本ですが、実は「自己責任論」がとても強い国です。 人がビジネスに失敗して苦境に陥っていても、ひとり親で歯を食いしばりながら子育てをしていても、若者にこづかれながら貧しい老後の生活をおくっていても、そこで多くの人が口にするのは 「だって、自己責任じゃん」 という言葉です。 … これに関して、面白い統計があります。 世界各国で行われた貧困問題への意識調査(The Pew Global Attitudes Project、2007年)で

普通のママが半年で社会を変えるまで

ここのところ、多胎育児(双子ちゃんや三つ子ちゃんの育児のこと)の支援が拡充されているニュースが次々と飛び込んできます。 本当に多くの人の努力、そして積もりに積もった当事者の皆さまの想いがこの施策に結びついたのだと思います。 でも、なんで突然、多胎育児が注目されているのだろう?と思いませんか。 実は、きっかけがあったのです。 それはたったひとりの女性の想いでした。 僕の勤めている認定NPO法人フローレンスの仲間、いっちーです。 2020年1月31日、都庁で小池都知事

少子化はおいといて、まずジェンダーギャップ撃滅しようぜ

ある週末のこと。妻のママ友が生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、家に遊びに来てくれました。妻とママ友と、お互いに赤ちゃんを抱えて(うちはもうすぐ1歳の娘がいます)リビングで話し込んでいました。私は根がコミュ障なので、台所で食器を洗ったり二人にお茶を出したりと、会話にはがっつり加わらず、二人の会話に耳を傾けていました。 仕事の話になると、ママ友がとても寂しそうに言いました。仕事にフルタイムで復帰できなそうで、それだと今の会社ではキャリアを積むのは難しそうなんだ、と。これまでたく

政治が掲げる「家族の多様性」は、当事者の切実な悩みを、解決できているだろうか

俺たちの明石市が、また、やってくれた。 2021年1月8日から、「 明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度 」がスタート! 届出者の戸籍の性別やSOGIE(性的指向・性自認・性表現)を問わず、パートナーシップ関係にある2者を、公に証明する制度です。届け出書の提出を受けて、市が証明カードを交付します。 LGBT+のカップルを認知する制度はすでに全国で広まっていますが、明石市の制度には3つの特色があります。いずれも、日本初です。 まず、届け出書の様式。なんと、6種類も