【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.81
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池内紀『ひとつとなりの山』
途中のどこかを自分の山頂にして、そこで切り上げてもいいのである。まっしぐらに登るなんてこともせず、なるたけとなり近所に寄り道をする。標高がなくてもいいし、ノロノロ登山でかまわない。山高きが故に尊からず、足速きが故にエライのではない。
岡部哲郎『病気を治せない医者』
医学はいつも正しいとは限らない。よかれと思って行っている治療法や治療薬も、新たな研究が進み、臨床データがそろってくると、間違いが見つかることもある。そのたびに真理は是正される。だからこそ、専門医たるもの、学び続けなくてはならない。
北村孝一『ことわざの謎』
イデオロギーよりもさらに心の奥深くにある民俗的感性の違いによって、ことわざの意味や用法が異なってくる場合があることも明らかとなった。ことわざは、インターナショナルな特性を持つとともに、深いところで民俗を反映した表現でもあるわけである。
松永和紀『効かない健康食品 危ない自然・天然』
科学者は、白砂糖の方が工業的に精製され不純物が少ないので安全、と考えます。(中略)しかし、多くの人たちの受け止め方は逆。人工合成は悪く、自然天然はよい……。このイメージのずれに、食の情報伝達が抱える難しさが集約されているように思えてなりません。
佐藤眞一『ご老人は謎だらけ』
社会での自分の役割を理解し、人と協力し合って生きてきた人、言い換えれば、きちんと「社会化」のできた人ほど、成熟した依存ができる人だといってよいでしょう。社会性のある人ほど、人に助けを求めたり、助けてもらったりするのが上手なのです。(佐藤眞一『ご老人は謎だらけ』
松本健太郎『なぜ「つい買ってしまう」のか?』
アイデアが必要だからとアイデアを考えていれば、行き詰まるのは当然です。人間が潜在的に何を求めているか、何に満たされていないかを理解せず、いきなり問題を解決するアイデアを考案しているからです。問題だけを見て、人間を見ていないからアイデアが浮かばないのです。
五十嵐浩司『ロボットアニメビジネス進化論』
アトムやエイトマンは自らの意思を持って行動し、鉄人28号は操縦機の命ずるまま、善にも悪にもなる。マジンガーZには操縦者が必要という点では鉄人28号と一緒だが、搭乗用のメカニックで操縦するというシステムが新鮮だった。