【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.82
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NHKスペシャル 深海プロジェクト取材班+坂元志歩『ドキュメント 謎の海底サメ王国』
私たちの身近な海のすぐそこに、深海というまだ見ぬ世界がとめどなく広がっているのだ。この懐の深い深海で、古い時代の生き物たちが連綿と生き続けているという考えは、まだ見ぬ世界、あるいは見る機会などないと思っていた過去の世界を想像させ、冒険心を掻き立てる。
八幡和郎『江戸三〇〇藩 バカ殿と名君』
地方自治の舞台でも、知事や市長と議会の争いになると、市民は議会を守旧派の牙城とみて悪役視し、首長に好意的なことが多い。(中略)いまもって、市民は、殿さまの生まれ変わりである知事や市長に「名君」としての期待をかけ、国政に対するほどには、鋭い批判精神を持たないのである。
松田忠徳『これは、温泉ではない』
お湯に専念する、という言い方を私はするのだが、それを経験することでより深い愉しみや効能が得られることだろう。
まずお湯の質や風呂の風情、そういうものが非常に気になってくる。気になるというのは、ある意味で発見であるし、また思索である。
松原隆彦『宇宙に外側はあるか』
宇宙が始まってからわずか1兆分の1秒間など、宇宙の歴史からすれば無視できるほど短い時間です。しかし、宇宙のはじまりの謎はこの短い時間の中に凝縮されています。この間に何か未知のことが起きて、この宇宙の基礎が築かれたはずです。
真鍋厚『山本太郎とN国党』
「れいわ現象」の背景には、「生産性」という尺度で人生の価値が暴力的に決定され、いつ社会から不要と宣告されてポイ捨てされるかもしれないといった、安定した生活が崩壊することへの人々の恐怖や不安があったのです。
多賀秀行『一生に一度は行きたい 世界の旅先ベスト25』
ひたすら遠くへ行きたい。今も昔も人類にはそうした願望がある。南極は、宇宙旅行を除けば、人類が到達した最も渡航が困難な場所だろう。だからこそ、南極に自分の足跡を残したいと人々は願うのだろう。まさに一生に一度の、人類に残された最後の冒険が、南極旅行なのだ。
深見浩一郎『巨大企業は税金から逃げ切れるか?』
現状で最も指摘されるべきは、還流されずにタックス・ヘイブンに富が蓄積され、人類に有効活用されていないという点にある。多国籍企業とその株主である超富裕層への富の偏在は、われわれ人類が克服すべき最大の課題である。