【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.133
バックナンバーはこちら
岩波明 監修『おとなの発達障害』
個人と環境との間には相性というものがあります。発達障害の特性が目立つかどうかは、絶対的なものではなく相対的であり、個人と環境との関係によります。相性の良し悪しによって、特性が浮かび上がってきたり、水面下に沈んだりするのです。
小林紀晴『写真はわからない』
写真はとにかくカメラのシャッターを押しさえすれば、誰でも文字通り「機械的」に撮れ、生まれる。勝手に生まれてしまうといってもいいかもしれない。だから、よりやっかいなのだ。望むと望まないとにかかわらず、写真はシャッターを押せばほぼ「自動的」に生まれてしまう。
柏井壽『ふらり 京都の春』
京都の美しさの原点はここにある。人が、人の手が、京都を京都たらしめている。何かにつけ、そう思わせる。京都に生まれ、長く京都に住んでいるからこそ分かる。庭だけではない。ありとあらゆる京都はすべて同じ。多くの人々と、長い時間の熟成によって今の京都の美しさ、尊さがある。
上村敏之 平井小百合『空港の大問題がよくわかる』
結局は、東アジアの経済成長にいかに対応していくかが、人口減少が進む日本の空港政策の課題であり、国際空港の戦略はこの視点から考えねばならない。日本の空に立ちこめる暗雲を取り払い、いわば空の鎖国から日本を解放すべきなのである。
圓井義典『「現代写真」の系譜』
ある限られた写真だけを「現代写真」と呼ぶのであれば、いったいそれらは何によってそのほかの写真たちと分け隔てられることになるのでしょう。おそらくそれは、「写真のこれまでの歴史へのまなざし」をもっているかどうかということです。
所澤秀樹『鉄道フリーきっぷ 達人の旅ワザ』
“遠くへ行くだけが旅ではない”とおっしゃる御仁がいる。まさに、そうだと思う。旅の醍醐味は、見知らぬ風土との遭遇にあるが、その“見知らぬ風土”が、必ずしも遠くにだけ存在するものとは限らない。灯台もと暗し、ということだってある。
遠藤功『経営戦略の教科書』
どの「土俵」で戦えば、自分たちは持続的な差別化が可能なのかを冷静、かつ客観的に見極めること、数多くの選択肢の中から、自分たちが生み出すべき差別化された価値とは何かを決めることこそが、経営戦略の本質的な意義なのです。