【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.135
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吉井仁実『現代アートバブル』
実際のところ、私たちはあまりに多くの物事を、視覚的経験によって先取りしているのです。身体の投入を伴う経験に先立って、メディアを通じて流入するビジュアル・イメージが、私たちの認識のあり方を規定してしまいます。
河野哲也『暴走する脳科学』
心理主義は、あらゆる問題を内面の問題として、不健全な形で人々を自己コントロールに向かわせる。私たちは、それが、誰かに、社会的・政治的な何かに強いられた内面化であることに気づかないままに、自己を操作しようとする。
岡嶋裕史『個人情報ダダ漏れです!』
人間とは、換言すれば情報です。
その人のことを知りたければ、その人の情報を収集します。
集めた情報を再構築すれば、その人のことがわかります。
喜瀬雅則『オリックスはなぜ優勝できたのか』
ある時、こっそりと「406号」の前まで行って、写真を撮ったことがある。
ここに、イチローが住んでいたのか。
扉の向こうには、誰もいない。なのに、扉の前に立っただけで、どことなく、背筋がピンと伸びるような緊張感が走った。
佐藤寛『山岡鉄舟 幕末・維新の仕事人』
剣に夢中になるかと思えば、尊皇攘夷活動の危険な橋を渡ろうとする。またあるときは勝海舟と並ぶ藩の重役としてごく自然に行政を切り盛りする。またあるときは朝敵であったはずなのに若き明治天皇の教育係として仕え、天皇の厚い信頼を得る。個々の仕事として素晴らしい事跡である。
河原仁志『沖縄50年の憂鬱』
沖縄返還の裏側では、本土基地機能の沖縄移管が静かに進んでいました。本土の反基地闘争に業を煮やした米側の戦略ですが、日本政府はこれに見て見ぬふりをします。現在に至る沖縄の基地固定化は、実は本土復帰と並行して基盤形成されていたのです。
佐藤純『天気痛』
それを本人が「痛い」と言えば、それが痛みだということ。(中略)実は、これが痛みの本質です。痛みとは、極めて個人的で曖昧なものなのです。