【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.101
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夏井睦『傷はぜったい消毒するな』
現在の最新治療といえども、その治療の正しさは期限付きの正しさであり、いつかは寿命が尽きてしまう。今日は正しい治療であっても、明日には否定されるかもしれない。賞味期限欄は現在は空欄だが、ある日突然、そこに日時が書き込まれる運命なのだ。
岩田規久男『「日本型格差社会」からの脱却』
日本では「量的・質的金融緩和政策」に反対ないし、その効果を疑問視する政治家、マクロ経済学者、マスメディアが多数派であるが、「量的緩和」は1930年代の大不況期やリーマン・ショックのような金融危機に際しては、世界標準の当たり前の政策なのである。
薬師院仁志『日本語の宿命』
横文字を縦にする努力を積み重ねてみても、それが正しく実を結ぶとは限らない。むしろ、言語的に一種のガラパゴス状態にある日本語世界では、考案された訳語そのものが日本語として一人歩きし、独自の意味や用法を発展させてしまうこともあるのだ。
平山洋介『住宅政策のどこが問題か』
「普通の人生」とは異なる「かたち」の人生が増え、「梯子」のパターンは拡散せざるをえない。住宅システムは人びとの暮らしに単線の軌道を与えようとし、しかし人生の軌跡はますます脱単線化する、という不整合が持家社会を揺さぶっている。
久我尚子『若者は本当にお金がないのか?』
社会を背負っていく若者にチャレンジ精神やグローバル精神を期待したいのだろうが、若者が保守的な考え方をするようになった背景には、やはり日本経済の低迷がある。若者たちの価値観や志向は、中高年世代が牽引してきた社会環境の影響が大きい。
齋藤孝『遊ぶ力は生きる力』
おもちゃは子どもとのコミュニケーションのツールであり、子どものコミュニケーション力を育むツールです。よいおもちゃとよい付き合い方をするカギは、大人が握っているのです。
飯間浩明『小説の言葉尻をとらえてみた』
人のことば遣いにケチをつけるためにことば尻を捉えるのは感心しません。でも、ことばの面白さを見つけるために、ことばの端々にこだわってみるのもいいでしょう。小説のことば尻の中に宝石があります。それを見つけようではありませんか。