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【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.117

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向谷匡史『ヤクザ式 一瞬で「スゴい!」と思わせる人望術』

自分が退職したら、部下や後輩たちはどういう態度で接するだろうか。そんな醒めた目も必要なのではあるまいか。「自分は人望がある」とうぬぼれるほど、楽なものはないからだ。


斎藤潤『日本《島旅》紀行』

高額なものを身に纏い、贅沢なものを口にして、大仰な屋敷に住まう。それも豊かさかもしれない。しかし、野山のたわわな実りや田畑の豊作、鳥獣魚類の豊漁にまさる、心底からの充実感はないのではないか。高価な衣服や食べ物や住まいは、人生の飾りに過ぎない。


許光俊『世界最高の日本文学』

小説を読むというのは、人間の悲しさに触れることだ。一見喜劇的で滑稽に見える文学だって、その底には悲しげな何かがある。モーツァルトの「悲しくない音楽はない」という言葉は有名だが、すぐれた文学も例外なく悲しいものなのかもしれない。


山口仲美『犬は「びよ」と鳴いていた』

掛詞式の擬音語は、いままでほとんど注目されていません。けれども、ウィットに富む表現技法の一つとして注目すべきものだと私は思っています。もっと言えば、虫や鳥の声に聞き耳を立てる日本人ならではの表現技法だと思っているのです。


佐藤優『キリスト教神学で読みとく共産主義』

私にとって廣松渉は死者だ。それにもかかわらず、死者廣松渉との対話に私は成功したと思っている。真摯な対話の結果、疎外論と物象化論の違いについて、私たちは共通の認識を持つことができたと思う。


松尾 匡 井上智洋 高橋真矢『資本主義から脱却せよ』

将来のために時間を投資する。あらゆる人間関係さえも「自分を高く買ってもらう」ための投資行動となる。
しかし今や、人生の時間を投資した先に待っているのは年金さえ返ってこないかもしれない未来である。私たちの時間は、もはや不良債権になりつつある。


織田淳太郎『「孤独」という生き方』

孤立とは自分一人だけがこの大宇宙から切り離されたと思い込む、救いがたい心の状態を指す。しかし、「独り在ること」には、社会的な制約や常識から解放された自己の内面との繋がり感があり、「いまここにいる自分以外の何かになろうとしない」心の安逸がつねに伴っている。




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