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【リレーエッセイ】ビッグウェーブ到来! さおだけ屋•下流社会•わかったつもり

初のミリオンセラー誕生

光文社新書にビッグウェーブがやってきたのは、アランちゃん3歳の時。競走馬ならダービー出走の年齢です。ちなみに2005年5月に行われた日本ダービーを制したのは、かのディープインパクトでした。アランちゃんとディープインパクトは同級生になるわけですね。もちろん影山優佳さんも。

そのディープインパクトもといビッグウェーブは次の2冊によってもたらされました(部数はいずれも2021年9月8日現在)。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』山田真哉著、2005年2月刊、累計164万7000部、担当:柿内芳文
『下流社会 新たな階層集団の出現』三浦展著、2005年9月刊、累計80万4000部、担当:草薙麻友子

『さおだけ屋』の担当者はいわずもがな、『下流社会』は前の記事を書いた草薙が担当しました。

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なかなか抜けない最強ツートップです

この2冊の大ヒット後、「なぜ~なのか?」「下流~」というタイトルの書籍が山ほど出ました。

2021年9月現在、光文社新書でこの2冊の部数を抜いた新書は出ていません。もう16年も経っているのですから、頑張らないといけないですね。

『大下流国家』と『知ってるつもり』

この2冊以外の同時期のヒット作を見てみましょう。部数順です。

・わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 西林克彦
・座右の諭吉 才能より決断 齋藤孝
・経営の大局をつかむ会計 健全な“ドンブリ勘定”のすすめ 山根節 
・発達障害かもしれない 見た目は普通の、ちょっと変わった子 磯部潮 
・名門高校人脈 鈴木隆祐 
・金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか 吉本佳生 
・江戸三○○藩 バカ殿と名君 うちの殿さまは偉かった? 八幡和郎 
・マルクスだったらこう考える 的場昭弘 
・犯罪は「この場所」で起こる 小宮信夫 

手前味噌ですが、今でも通用するラインナップではないでしょうか?

ちなみに『わかったつもり』の部数は累計14万3000部です。今でもバリバリ現役のロングセラーで、担当者は前編集長の森岡純一でした。

10月の創刊20周年フェアと同時期に出る新刊には、『下流社会』の三浦展さんの『大下流(だいかりゅう)国家』と、『わかったつもり』の西林克彦さんの『知ってるつもり』が含まれます。強力な内容ですので、ご期待ください。

自分の振り返り

申し遅れました。この記事を書いているのは編集部の三宅です。1歳時に続く2度目の登板になります。

この時期、担当した書目は以下の14点です。

・ホンモノの温泉は、ここにある 松田忠徳
・東京居酒屋はしご酒 今夜の一軒が見つかる・厳選166軒 伊丹由宇
・ナンバのコーチング論 次元の違う「速さ」を獲得する 織田淳太郎
・築地で食べる 小関敦之
・黒川温泉 観光経営講座 後藤哲也 松田忠徳
・発達障害かもしれない 磯部潮 
・関東学院大学・春口廣 強いだけじゃ勝てない 松瀬学
・学習する組織 現場に変化のタネをまく 高間邦男
・なぜあの人とは話が通じないのか? 非・論理コミュニケーション 中西雅之
・世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 古川修
・地球の内部で何が起こっているのか? 平朝彦  徐垣 末廣潔 木下肇
・医者にウツは治せない 織田淳太郎
・暗証番号はなぜ4桁なのか? セキュリティを本質から理解する 岡嶋裕史

1~2点は、進行を他の部員にお任せしています。すでに「なぜ~か?」使い過ぎ問題が発生していますね。伊丹由宇さんは、残念なことにしばらく前にお亡くなりになられました。個人的に好きなタイトルは「世界一旨い日本酒」です。「日本一」ではなく「世界一」としたのがミソですね。

この時期の思い出深い一冊を挙げるとするなら、『暗証番号はなぜ4桁なのか?』(岡嶋裕史著)です。現在、多方面でご活躍中の著者ですが、記念すべき新書一冊目は本書でした。電子書籍元年といわれた2010年頃には、新刊電子化の後押しをいただきました。

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皆さん、なぜだと思われますか?(答えは本書で!)

現在、このnoteでメタバースに関する連載を進めていただいています。

2001年10月に産声を上げたアランちゃんもとい光文社新書は、この年の大きな飛躍によって、ちくま新書、新潮新書とともに新書〈新御三家〉といわれるようになります(いわずもがな、元祖〈御三家〉は岩波新書、中公新書、講談社現代新書です)。

ちなみに、本年(2021年)のダービーを制したのは、ディープインパクトの仔シャフリヤールでした。ディープインパクト自身はこの勝利を知ることなく、2019年7月に天寿を全うしています。

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