【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.142
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小沼竜太『伝え方は「順番」がすべて』
ブランドは、消費者のマインドの中にある。
競合他社の商品ではなく「この会社のこの商品だから購入する」と指名される時、商品の価値は、実は商品にあるのではなく、消費者の心の中にある。価値を定義するのはメーカーではなく、消費者である。
新雅史『商店街はなぜ滅びるのか』
ケアが必要なのは、けっして個人だけではない。わたしたちは、自分が暮らし、そして子孫が暮らしていく地域全体をみなでケアせねばならない。地域を支える仕組みを考えていかなければ、そこで生きる個人を支えることはとうてい不可能だからだ。
山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学』
「当たり前」だと思っていたことがデータで確認できない、つまり、実は「当たり前」ではなかったというのは、社会科学の研究者ならば何度も体験しています。事実関係を正しく踏まえるのが、私たちの社会の正しい理解への第一歩につながるのです。
保坂俊司『宗教の経済思想』
仏教が一般化するためには、仏教自身が変化しなければならなかったのであった。だからこそ、仏教思想を単純化し、具体化していく必要があったのであろう。鎌倉新仏教の祖師たちは、仏教の複雑な要素を単純化し、抽象的なものを具体的なものに置き換えていく作業を行ったのである。
岡田尊司『愛着障害の克服』
幼いころの愛され方や親との関係は、強力にその人の人生を縛り、左右する。
しかし、同時に、人は大きな可塑性や成長する力をもっている。抱えている課題や制約と、そこから自由になり可能性を広げていこうとする力との戦いが、その人の生き様、人生が描く軌跡だともいえる。
木原善彦『アイロニーはなぜ伝わるのか?』
私たちが普段、無自覚に「コミュニケーションの道具」だと思いがちな言語には、人間の認識の機微に関わる側面があり、それは一般の辞書や文法書に記述されそうもないレトリックの領域に存在しています。
丸川哲史『日中一〇〇年史』
戦後における丸山の叙述は、戦時期の日本の(非)主体性を批判しつつ、敗戦という偶然の基盤から出発して戦後日本の国民の主体性を形成するという、実に実践的な矛盾を抱え込んでいました。