【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.147
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高田明典『難解な本を読む技術』
「読まない」というのは、実は、読書においてとても重要な要素です。当然、読書とは「読む」ことであると考えられていると思いますが、むしろ読書の技術の真骨頂は「読まない」ことにあります。
伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
私がとらえたいのは、「見えている状態を基準として、そこから視覚情報を引いた状態」ではありません。視覚抜きで成立している体そのものに変身したいのです。そのような条件が生み出す体の特徴、見えてくる世界のあり方、その意味を実感したいのです。
千住博『日本画を描く悦び』
ブッ飛んだ仕事をする人は、だいたい、見た目はまったく常人と変わらない普通の出で立ちで、市民としての生活を静かに過ごして市井の人々の中に溶け込んでいるものです。
吉川徹『日本の分断』
大卒層と非大卒層は、各世代にちょうど半数ずつの比率で存在していて、異なる役割を受けもっているのですから、飛行機の両翼のようなものです。片方だけ、つまり大卒側だけが一方的に得をしてしまうと、日本社会はまっすぐに飛ぶことができなくなります。
菊原智明『あんな「お客」も神様なんすか?』
究極的にお客様のことを考え、他社の製品を勧めた時、そのまま他社の商品を買うお客様と、結局自社の製品を買って下さるお客様のどちらが多いかと言えば……、なんと後者のほうが多いのです。
黒澤雄太『真剣』
いうまでもなく時間は連続していて、瞬間は永遠ではありません。刀で斬るというのは一〇〇〇分の何秒かの、瞬間が瞬間として独立していながら連続する、そういった世界にこの身を置くということです。
池上英洋『イタリア 24の都市の物語』
多様な民族による支配の歴史が、都市構造や建築などに、他にあまり例のない多層性を与えている。しかしその一方で、(中略)極端な不寛容の数世紀が残した負の遺産は、今も強い疵を残している。そのどちらもが、愛すべきイタリアが同時にかかえるふたつの顔なのである。