【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.56
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菅原琢『世論の曲解』
選挙の趨勢を決めるのは、選挙区民のごく一部を占めるに過ぎない熱烈で従順な支持者やネット上のご意見番ではない。政党や候補者とは何の接点もなく、接点を持とうとも思わない、大多数を占める普通の有権者が、政権の命運を握っているのである。
松岡慧祐『グーグルマップの社会学』
地図としての「社会」はけっして「見えない」のではないが、わたしたちは検索機能やナビゲーション機能が強化されたグーグルマップに支配されることで、それを「見ない」ように誘導されているのではないか。
大内伸哉『勤勉は美徳か?』
日本の労働者は、就職活動のときから、個性を消すということを始めます。黒の上下のリクルート・スーツを着たシューカツ・ルックは、私の目には、学生が社畜への一歩をすでに踏み出しているようにみえてなりません。
吉田悦章『イスラム金融はなぜ強い』
イスラム金融の本質は、金利回避、豚肉・アルコール回避にあるのではなく、資金を用いて経済活動を活発化することにこそある。(中略)経済活動・富の蓄積は、シャリアにおいて奨励されており、金融というツールを用いてそれを実現しようというのが、本来のイスラム金融なのである。
笹山尚人『それ、パワハラです』
労働法には、労働者の人格権を保護しようという内容が含まれている。労働法が職場に根づいていないということは、労働者の人格権を大事にしようという思想が職場に根づいていないということである。
浅井武監修『サッカー ファンタジスタの科学』
試合中、ちらっと状況を見るという何気ない行為でも、そこから意味を見つけ出すことには、脳が大きく関与している。物理的に同じ場面や状況を見ても、サッカー上級者と初級者では、まったく異なるものを見ているのだ。
古賀茂明『官僚を国民のために働かせる法』
公僕とは何でしょうか。(中略)それは、いざというときに自分の利益ではなく、公の利益を優先できる、そのために自己犠牲を払える、そういう尊い心の持ち主だという意味なのです。そして、そのことを誇りとし、喜びと感じながら働くのが、公僕たる官僚なのです。