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「おとりよせ」飲みの幸せ|パリッコの「つつまし酒」#145

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我が家におとりよせの波が到来

 以前『週刊アサヒ芸能』という雑誌の巻末で、ずいぶん長いこと「一杯酒場」という連載のライターを担当させてもらっていました。カラー1ページを使って、毎週1軒の良き大衆酒場を取材し、紹介するという、それはそれは楽しい仕事だったんですが、コロナの影響で残念ながら休止に。
 それから2年ほどが経ってもあいかわらずのこの状況。そこで昨年末から、同じ枠で新たに始まったのが「お取り寄せ市場」という連載。タイトルのとおり「おとりよせ」がテーマで、送料は除き、税込み1100円以内でおとりよせできる全国各地の名品を紹介するという内容です。
 今回は原稿執筆の他に商品撮影まで担当することになり、最近我が家には、毎週毎週全国のどこかからおとりよせ食品が届いている状態。しかも約1000円以内というと、あまり高級な魚介類だの肉だのは範囲外になり、必然、瓶詰め、珍味系にチョイスが振られがち。島根県の「鯖塩辛」、長崎県の「とらふぐコンフィ」、福井県の「蟹味噌バター」、山形県の「あけがらし」、岡山県の「茶ノベーゼ」……。冷蔵庫内には酒の肴がどんどん蓄積されてゆき、酒飲みとしてこんなに嬉しいことはないんですが、同時にこれ、定期的に「珍味消費飲み会」でも開催しないと追いつかないぞ……という事態でもあったり。

「日高見市場」が好きすぎて

 商品のチョイスは、もちろん僕が推薦することもあれば、編集部やその友人知人からの推薦もあり。で、この連載を担当することが決まり、真っ先に僕が紹介させてもらいたい! と思ったのが、宮城県石巻市にある水産加工業者「末永海産株式会社」が運営する「日高見市場」のこと。数年前、社員のひとりに僕の活動を応援してくださっている方がいるというありがたい経緯で存在を知り、実際に食べてみた商品たちの、どれもこれも美味しいこと!
 特に看板の品である「牡蠣の潮煮うしおに」は、石巻の海でとれたての牡蠣を、なんと水も塩も使わず、牡蠣の身から出る旨味エキス、「潮」のみでじっくり煮込むという、地元漁師に伝わる伝統の一品。その、とても原材料が牡蠣だけとは思えない、ひと粒ひと粒に深〜く凝縮された海の恵みのありがたさ。初めて食べた時は、思わずその場にひっくりかえってしまうくらいの衝撃を受けたものでした。
 また、ここの商品がどれも「こんな値段でいいんすか?」ってくらいリーズナブルなんです。だってその潮煮、牡蠣の身が170gも入った「大パック」が、税込みたったの800円なんですよ?
 って、どうも日高見市場のことを書くと、好きすぎて“ステマ”っぽくなってしまうんですが、お金などは一切いただいておりませんのであしからず。

夢の「お試しセット」

 で! やっと本題だ。以上のような事情でおとりよせ熱が高まり、久しぶりに日高見市場で買いものしよ〜! とサイトを訪れた昨年末。我が目を疑うほどにお得なセットを発見してしまったんです。それが、誰でも1回だけ購入できる「お試しセット」!
 内容は「牡蠣の潮煮 お土産パッケージ」「牡蠣のリッチフレーク <ガーリックバター>」「お刺身ほや」「お刺身わかめ」「炙りつぶ」の人気上位5品が入って、通常価格3690円のところ、なんと2000円ぽっきり! さらに送料無料ときたもんだ! ……って、ノリが完全に通販番組になってきましたが、とにかくこのチャンスを逃すわけにはいかないと、即注文しましたよ。そしてすぐに届いたお試しセットの品々、日々少しずつ開封しては晩酌を楽しませてもらったわけですが、いや〜、あらためて実感しましたよね。本当に、おとりよせって幸せなもんだよなと。

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「牡蠣の潮煮」

 まずはやっぱり、牡蠣の潮煮。ぷりっぷりむっちむちの牡蠣の身に、自らから湧出した旨味がたっぷりと凝縮されて、何度食べても感動できるこの美味しさ。完全なる酒泥棒、いや、ここまでくるともはや“酒強盗”と呼ぶべきかもしれません。
 それから、比較的新しい商品なので、気になっていつつも未食だった「牡蠣のリッチフレーク」。こいつがまたまた、やばいブツだった! どういうものかと言いますと、「宮城県産極上牡蠣」を細かく刻んでフレーク状にし、「風味豊かなガーリック」と「こくまろバター」で味つけし、「オリーブオイル漬け」にし、さらにはアクセントに「唐辛子」をほんのり。っていう、そんなのうまいに決まってるじゃ〜ん、な一品でして。そもそもですよ? あんなにシンプルな「牡蠣の潮煮」を作る末永海産さんが、だいぶ思い切ったことをしてくれたなと。そうくるかと。思うわけじゃないですか。ところがこれを炊きたてのごはんにのせてほおばってみて大納得。こんなのもう、反則じゃん! と、その場に泣き崩れそうになってしまいそうな美味しさだったんですもの。

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間違いあるわけない

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洋風にアレンジしてワインに合わせたりも

 またある夜は、豪華にほや、つぶ貝、わかめを盛り合わせに。そりゃあもう、日本酒と合わせて。フルーティーさと海の香りが同時に吹き抜けるぷりっぷりのほや刺しは、こんなに美味しいほやが自宅で気軽に味わえちゃっていいのでしょうか、と不安になるレベル。コリコリ、クニュクニュ食感が心地よく、噛めば噛むほどにじみ出る旨味がたまらないつぶ貝もいい。そしてそして、肉厚シャキシャキのわかめがまた、他の魚介類に劣らないくらいに美味しいんだよな〜!

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こんな風景が自宅で見られるんですよ

 というように、良きおとりよせは、自宅を一気に居酒屋に変えてくれますね。しかも今回ならば、石巻の港町の片すみにある、地元漁師が集まる小さな酒場に。
 そりゃあもちろん気分だけですが、まだまだ長引きそうなコロナ禍にあって、最近あらためて、おとりよせが楽しいなと。

パリッコ(ぱりっこ)
1978年、東京生まれ。酒場ライター、DJ/トラックメイカー、漫画家/イラストレーター。2000年代後半より、お酒、飲酒、酒場関係の執筆活動をスタートし、雑誌、ウェブなどさまざまな媒体で活躍している。フリーライターのスズキナオとともに飲酒ユニット「酒の穴」を結成し、「チェアリング」という概念を提唱。2021年8月には、新刊『つつまし酒 あのころ、父と食べた「銀将」のラーメン』を上梓! また、『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』(スタンド・ブックス)『晩酌わくわく! アイデアレシピ』 (ele-king books)、『天国酒場』(柏書房)、『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』(光文社新書)、『酒場っ子』(スタンド・ブックス)、『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、漫画『ほろ酔い! 物産館ツアーズ』(少年画報社)、など多数の著書がある。
Twitter @paricco

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