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【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.94

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加園幸男 釼持佳苗『デパ地下仕掛人』

【1】第94回

東京では“百貨店の顔”である一階には、洋服や身の回り品を置いているところが圧倒的であったのに対し、阪急百貨店では一階に日用品と食料品を配していた。高級路線というよりは、安さとおいしさを前面に出したのが関西人気質にもマッチし、評判となる。


中村浩美『読んで愉しい 旅客機の旅』

【2】第94回

まざまな呼称で呼ばれたキャビン・クルーだったが、それはすべて男性だった。航空輸送の黎明期から二〇年代にかけて、空は男の仕事場と考えられていたためだ。フライト・クルーはもちろんキャビン・クルーも、男性で占められていたのである。


布施英利『パリの美術館で美を学ぶ』

【3】第94回

行きすぎた退廃が、やがて禁欲的なキリスト教文化を生み出す、というのも納得のいく流れである。ヨーロッパ美術では、中世になって、ふたたび裸体がタブーになる。『ミロのヴィーナス』は、そんなギリシア美術の黄昏の、最後の輝きの一つであった。


ラリー遠田『お笑い世代論』

【4】第94回

芸人として並ぶ者がいないほどの華々しい成功を収めながらも、その栄光の頂きでたけしは深くため息をついている。
たけしの芸人人生は、自分自身を壊しては組み立てていくことの繰り返しだった。それは、誰も足を踏み入れたことのない孤高の道だったのだ。


森川友義『恋愛学で読みとく 文豪の恋』

【5】第94回

強調しておきたいのは、『風立ちぬ』のような幸せな夫婦関係のためには、幸福を創出する努力そのものが大切であることです。幸せは1つではありません。いくつでも創出可能です。
幸福の種を蒔いて、花を咲かせること。幸せな人生とはこれに尽きると思います。


本荘そのこ『がんに不安を感じたら読む本』

【6】第94回

がんとは、その闘病を通して、無念、後悔、諦念、納得、満足、感謝など、さまざまな感情が噴出するものです。そこには否応なく、人間の強さや脆さが出てしまいます。また、それまでの生き様が人生の集大成のように表れる場面でもあります。


長坂道子『世界一ぜいたくな子育て』

【7】第94回

育児、そして広い意味での母性のあり方は、それぞれの文化や時代背景の影響を免れることはできないが、本当は、それは文化を超えたところ、つまり個々の女性の個的なアイデンティティであるべきであって、だから「たった一つの育児」もなければ「たった一つの母性」もない。





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