日本のコミュニケーションを診る|馬場紀衣の読書の森 vol.28
数ヶ月ぶりに日本へ帰ってきた電車のなかで、駅で、通りで、とにかくあらゆる空間にキャラクターのイメージが氾濫していて、くらくらしてしまった。日本を離れているあいだも毎週のアニメは見逃さなかったし、漫画の新刊も手に入れた。発売が待ち遠しいゲームもある。そういうわけで、「日本はキャラクターの国である」という著者の言葉に私は激しく同意する。
日本社会でキャラクターのイメージがこれほど活用されるのには、いくつか理由がある。ひとつは、日本のキャラクターの由来は古代からのアニミズムにある