2022年5月の記事一覧
自分の治らない欠点の解決―僕という心理実験16 妹尾武治
過去の連載はこちら。
第2章 日本社会と決定論⑧―多様性と『こぶとり爺さん』決定論で癒せるのは、過去の行動選択への後悔だけではない。自分の治らない欠点(遅刻癖や、物忘れ、過度のおっちょこちょいなど)に新しい解決のためのアプローチを提案してくれる。
『五体不満足』の著者でインフルエンサーの乙武洋匡は、自身の運命に争うでもなく、悲観するでもなく、ただただそれを受け入れてありのままに生きている。
決定論がなぜ人に安らぎをもたらしうるのか?―僕という心理実験15 妹尾武治
過去の連載はこちら。
第2章 日本社会と決定論⑦―大河の一滴1932年生まれの作家の五木寛之は、その作中で多くの人をひたすらに許して来た。彼の「許し」に救われた読者はごまんといるだろう。かくいう僕もその一人だった。彼の思想のベースには親鸞の『悪人正機説』の「赦し」がある。
五木は人間を「大河の一滴」だと言う。大きな運命に無為に流されるだけのごくごく小さな存在。河を降れば海に辿り着き、蒸発し山の
集合意識が暴走する社会―僕という心理実験14 妹尾武治
過去の連載はこちら。
第2章 日本社会と決定論⑥―集合意識が暴走する社会集合意識と共同幻想
社会や集団には、個人個人の意識を超えた集団としての意識が宿る。それが集合意識である。例えばコロナ禍において、もっと世界が混乱したら面白いのにと内心で思う部分があり、その意識が集合することで社会全体が混乱を深める方向に進むようなことはありうる。
ダイヤモンドプリンセス号からの中継に内心ワクワクしていた人
陰陽道から見る日本人の決定論と自由意志―僕という心理実験13 妹尾武治
過去の連載はこちら。
第2章 日本社会と決定論⑤なぜ占いや血液型性格診断を信じるのか?
古来より、日本人は決定論と自由意志を絶妙なバランスでハイブリッドして来た。平安時代には、陰陽道で「方違え」のように、日によって不吉な方向に歩かないなどの、不運を避けるための様々なルールがあった。
怨霊や鬼の仕業で、不吉な運命はある程度事前に決まっているけれども、種々の対応するお祓いと技で、それを自由意志に
かつて女性の40%ほどが狩猟に関わっていた?―僕という心理実験Ⅻ 妹尾武治
第2章 日本社会と決定論④
スカイラブハリケーンと棒が見る瞬間――心理学的な脇道
“狩猟採集社会“というと、面白い論文が2020年の11月4日に、最高峰の学術誌であるサイエンスに掲載された。
狩猟採集時代の人類の遺跡では、埋葬された骨が見つかることがある。この骨と共に、石器が見つかるケースがままある。狩猟に用いたやじりなどである。現代の人でも「おじいちゃんが大事に使っていた帽子を一緒に棺に入