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太っているのは自己責任か?―僕という心理実験20 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑫―「太りなさい」という環境からの刺激太っているのは自己責任だと多くの人は思うだろう。しかし、こんなにも美味しいものが身近に溢れているのも自己責任なのだろうか。ハンバーガー、コーラ、スイーツが低価格で手に入る時代。「太りなさい」という環境からの刺激がここまで多量にあるのに、太っているのは自己責任なのだろうか?
同じように、使えるお金を計画的に計算
成功者は本当に優れているのだろうか?―僕という心理実験19 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑪―下層国民が上級国民に対して反乱を起こすStay Psychopathy, Stay Romantic
もし新しいOSを持つ人たちが多数派になり、それにふさわしい社会システムを構築出来れば「うつ」などの精神疾患はもはや病気ではないことがわかるのかもしれない。病んでいるのは社会の方かもしれない。
コロナ禍で社会のありようは、思っていたよりもずっ
アダムとイブが食べた禁断の果実とは、自立的思考(心理学的決定論)だった―僕という心理実験18 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑩―ニュータイプの誕生新しい脳の中のOSとそのバグ
2021年11月にネイチャー・ヒューマン・ビヘイビアに掲載された論文では、英国バイオバンクと精神医学ゲノミクスコンソーシアムから得た現生人類の遺伝学的データ、およびヨーロッパ中から集められた古代ヒトゲノムDNAを用いて、ホモ・サピエンスの直近の3000年の進化について考察がなされている。
著者に
面白くない人生であることは、あなたの責任ではない―僕という心理実験17 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑨―人間は存在そのものが「こぶ」弱く無い者なんていないし、“くだらない悩み”なんてものも無い。弱音を吐かずに人は生きていかれない。だからこそ、マジョリティ側にいつつも、軽めのテンションで弱音が吐ける、ちょっとした「こぶ」の自称がもてはやされている。
昨今HSP(High Sensitive Person:人一倍敏感で鋭敏な感性を持っていることを自
自分の治らない欠点の解決―僕という心理実験16 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑧―多様性と『こぶとり爺さん』決定論で癒せるのは、過去の行動選択への後悔だけではない。自分の治らない欠点(遅刻癖や、物忘れ、過度のおっちょこちょいなど)に新しい解決のためのアプローチを提案してくれる。
『五体不満足』の著者でインフルエンサーの乙武洋匡は、自身の運命に争うでもなく、悲観するでもなく、ただただそれを受け入れてありのままに生きている。
決定論がなぜ人に安らぎをもたらしうるのか?―僕という心理実験15 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑦―大河の一滴1932年生まれの作家の五木寛之は、その作中で多くの人をひたすらに許して来た。彼の「許し」に救われた読者はごまんといるだろう。かくいう僕もその一人だった。彼の思想のベースには親鸞の『悪人正機説』の「赦し」がある。
五木は人間を「大河の一滴」だと言う。大きな運命に無為に流されるだけのごくごく小さな存在。河を降れば海に辿り着き、蒸発し山の
集合意識が暴走する社会―僕という心理実験14 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑥―集合意識が暴走する社会集合意識と共同幻想
社会や集団には、個人個人の意識を超えた集団としての意識が宿る。それが集合意識である。例えばコロナ禍において、もっと世界が混乱したら面白いのにと内心で思う部分があり、その意識が集合することで社会全体が混乱を深める方向に進むようなことはありうる。
ダイヤモンドプリンセス号からの中継に内心ワクワクしていた人
陰陽道から見る日本人の決定論と自由意志―僕という心理実験13 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑤なぜ占いや血液型性格診断を信じるのか?
古来より、日本人は決定論と自由意志を絶妙なバランスでハイブリッドして来た。平安時代には、陰陽道で「方違え」のように、日によって不吉な方向に歩かないなどの、不運を避けるための様々なルールがあった。
怨霊や鬼の仕業で、不吉な運命はある程度事前に決まっているけれども、種々の対応するお祓いと技で、それを自由意志に
かつて女性の40%ほどが狩猟に関わっていた?―僕という心理実験Ⅻ 妹尾武治
第2章 日本社会と決定論④
スカイラブハリケーンと棒が見る瞬間――心理学的な脇道
“狩猟採集社会“というと、面白い論文が2020年の11月4日に、最高峰の学術誌であるサイエンスに掲載された。
狩猟採集時代の人類の遺跡では、埋葬された骨が見つかることがある。この骨と共に、石器が見つかるケースがままある。狩猟に用いたやじりなどである。現代の人でも「おじいちゃんが大事に使っていた帽子を一緒に棺に入
預言者としての伊藤計劃―僕という心理実験Ⅺ 妹尾武治
第2章 日本社会と決定論③預言者としての伊藤計劃
※今回の記事には『ハーモニー』『メタルギアソリッド3』についてのネタバレがあります。ご注意ください。
伊藤計劃のSF小説『ハーモニー』。人間は長期的欲求と短期的欲求の比較によって、総合的な欲求の最適な解消を目指す行動を選択している。その比較過程を意識上で言語化したものが「意志」と呼ばれるものだと伊藤は主張する。あえて「自由」という接頭語を付け
自由意志の発明と歴史―僕という心理実験Ⅹ 妹尾武治
第2章 日本社会と決定論②自由意志の発明と歴史
ここで自由意志の発明の歴史について、とても短く紹介したい。
自由意志と決定論は、その起源から社会と人との関係に基づいている。
もちろん諸説あるのだが、現在の日本人の多くが信じている自由意志は、西欧のキリスト教に根ざしていると考えるのが一般的である。
(本当に荒っぽくまとめて信者の方には失礼だが)全能の神という存在が、ユダヤ教以降の西洋的なキリ
不寛容な社会にどう生きるか?―僕という心理実験Ⅸ 妹尾武治
トップの写真:ビッグバン直後に誕生した最初の分子「水素化ヘリウムイオン」が発見された惑星状星雲NCG 7027 © Hubble/NASA/ESA/Judy Schmidt
妹尾武治
作家。
1979年生まれ。千葉県出身、現在は福岡市在住。
2002年、東京大学文学部卒業。
こころについての作品に従事。
2021年3月『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論〜』を刊行。
僕がやってきた科学的取り組み―僕という心理実験Ⅷ 妹尾武治
トップの写真:ビッグバン直後に誕生した最初の分子「水素化ヘリウムイオン」が発見された惑星状星雲NCG 7027 © Hubble/NASA/ESA/Judy Schmidt
妹尾武治
作家。
1979年生まれ。千葉県出身、現在は福岡市在住。
2002年、東京大学文学部卒業。
こころについての作品に従事。
2021年3月『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論〜』を刊行。
人間は、そして生命は情報である―僕という心理実験Ⅶ 妹尾武治
トップの写真:ビッグバン直後に誕生した最初の分子「水素化ヘリウムイオン」が発見された惑星状星雲NCG 7027 © Hubble/NASA/ESA/Judy Schmidt
妹尾武治
作家。
1979年生まれ。千葉県出身、現在は福岡市在住。
2002年、東京大学文学部卒業。
こころについての作品に従事。
2021年3月『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論〜』を刊行。