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失われた絶版本を求めて|三宅香帆

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気鋭の書評家にして、読書家である三宅香帆さんによる「絶版本」ブックガイド。時の狭間に埋もれてしまった絶版本の魅力と、その今日的な意義について紹介していきます。この連載がきっかけに… もっと読む
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#推薦図書

「小川洋子的モチーフ」とは何か? を知る一冊|三宅香帆 第16回

小説は、作家のフィルターを借りる媒体小説とは、畢竟、世界の見え方を知る媒体なのだ。 ――…

光文社新書
6か月前
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第15回 80年代に林真理子が描いた「女ともだち」の揺れる関係|三宅香帆

林真理子は、読まれているけど、読まれてない本連載では、林真理子のことを評した本を第3回で…

光文社新書
7か月前
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第14回 「毒親」小説の先駆けだった!? 姫野カオルコによる女性の「自立」の物語|…

今だからこそ読める小説が、たくさんある「あえて、絶版となっている本を紹介する」本企画。 …

光文社新書
8か月前
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第13回 書き続け、働き続けた、少女小説家オールコットによる日記文学|三宅香帆

大黒柱を担った女性作家による日記文学日記だからこそ表現できるものがある。――この世で出版…

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第12回 イメージが一変する! 加藤典洋による村上春樹の謎とき|三宅香帆

みんな自分を通して、物語を読んでいる普段、小説について書評や批評のようなものを書いている…

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第10回 「大量に読み、大量に書く」恩田陸の書評が持つ魅力|三宅香帆

小説家による「小説以外」の書き物小説家・恩田陸による「小説以外」の書き物――つまりはエッ…

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第9回 四方田犬彦が師について綴った小説のような「評伝」|三宅香帆

師弟の物語は、面白い師弟の物語というのは、なぜか面白くて、読んでしまう。 夏目漱石作品のなかではやっぱり私は『こころ』がいちばん好きだし、芸術の師弟関係だったら中山可穂の『銀橋』とか山岸凉子の『アラベスク』もあの師弟関係にグッとくるの。フィクションじゃないけれどこの連載だって中島梓の『小説道場』を扱っている。ほら、『HUNTER×HUNETER』も『鬼滅の刃』も結局は師のもとで修業する話だからみんな面白いと思っているのじゃないか。 師弟関係の面白さというものは、それがすな

第8回 大塚英志がよみがえらせた江藤淳の現在性|三宅香帆

批評家が「人」について語る?本書は、批評家・大塚英志が、文芸批評家・江藤淳と、江藤淳と同…

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第7回 賞味期限の切れない、若島正の文学講義|三宅香帆

自分との距離をなにより感じる本本を開いては、「はあ」とため息をつくしかない本は存在する。…

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第6回 藤本由香里が切り拓いた少女漫画評論の可能性|三宅香帆

少女漫画評論は、少ない?ひとつの個人的な思い出話から始めたい。 もう一度断るが、ものすご…

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第5回 小説家のエッセイは読み継がれないと困る 桜庭一樹が滲ませるもの|三宅香帆

絶版になりやすいジャンル?小説家のエッセイというのは、絶版になりやすいのか……?  とい…

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第4回 あなたは福田和也のように面白くない小説を面白くないと言えますか?|三宅香…

作家を採点?作家に点数はつけられるのか。 そんなヒリヒリする問いかけに対し、本書の筆者は…

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第3回 今こそ斎藤美奈子の80年代「バブル論」を|三宅香帆

面白くない、って言いづらい「シンプルにあんまりおもんない」という言葉をなんだか言いづらく…

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第2回 中島梓の説く「誰に批判されても構わない文章」|三宅香帆

書いても、反応は返ってこない書くことは難しい。 自分のなにかを言葉にして、発信し、そして相手に読んでもらう。そのうえで相手がそれを面白いと思ってくれる。こんなに難しいことはない。なぜなら読者は目の前にいないからだ。 喋ることなら、まだ、目の前に相手がいてくれることが多い。相手がいれば、どんな喋り方を面白いと感じてそうか、どんなことを聞きたがってそうか、なんとなくわかる。そして軌道修正ができる。うまくいったときは、相手の良い反応を間近に見ることもできるだろう。 しかし書い