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エンタメ小説家の失敗学 by平山瑞穂

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本連載は小説家の平山瑞穂さんが、自らの身に起こったことを赤裸々に書き綴ったものです。 平山さんは、2004年に『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞… もっと読む
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“共感”というクセモノを侮ってはならない――エンタメ小説家の失敗学36 by平山瑞穂

“共感”というクセモノを侮ってはならない――エンタメ小説家の失敗学36 by平山瑞穂

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平山さんの最新刊です。

第7章 “共感”というクセモノを侮ってはならない Ⅰ僕が読み手として小説に求めていること

 読者としての僕が、小説に求めているもの、小説を読む際に重きを置いているものは何か。その問いに、ひとことで答えるのはむずかしい。

 心にズシリと響いてくるものがあるかどうか。物語として、僕にとって美しいと思えるたたずまいを備えているかどうか。テーマとその描

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文学賞に落選しまくる日々――エンタメ小説家の失敗学4 by平山瑞穂

文学賞に落選しまくる日々――エンタメ小説家の失敗学4 by平山瑞穂

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第1章 入口をまちがえてはならない Ⅱ
文学賞に落選しまくる日々 さて、そうして僕が純文学系の新人文学賞に応募していった結果がどうだったかというと、「三歩進んで二歩下がる」という按配だった。当時僕は、年に一度作品が募集される右記四つの文学賞に、ほぼ毎回、なにかしらの作品を応募していたが、まるで歯が立たないというわけでもなく、三回に一回くらい

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【新連載】すべては日本ファンタジーノベル大賞から始まった――エンタメ小説家の失敗学3 by平山瑞穂

【新連載】すべては日本ファンタジーノベル大賞から始まった――エンタメ小説家の失敗学3 by平山瑞穂

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第1章 入口をまちがえてはならない Ⅰ日本ファンタジーノベル大賞受賞
「はじめに」で述べたとおり、僕の小説家としてのキャリアは、二〇〇四年、『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞したことに始まる。しかし思えば、僕はこの最初の一歩からしてまちがえていたのではないか、と疑われる節がある。少なくとも、作家デビューを果た

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