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僕という心理実験 妹尾武治

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『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論』が熱狂的な反響を巻き起こした妹尾武治さんによる心理学エッセイ。前著の内容をさらに深めた世界は、多くの読者の共感を… もっと読む
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2022年7月の記事一覧

本当の「多様性」とは、平均値から大きく外れた異端をも内包すること―僕という心理実験24 妹尾武治

本当の「多様性」とは、平均値から大きく外れた異端をも内包すること―僕という心理実験24 妹尾武治

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第2章 日本社会と決定論⑯―僕と少年Aは地続きだ透明な存在

「今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、せめてあなた達の空想の中でだけでも実在の人間として認めて頂きたいのである。」

酒鬼薔薇聖斗事件で、少年Aは自分を透明だと言った。

自分を透明と表することの意味。これがわかるか、わからないか。もし全くこの言葉が理解出来ない(例えばただの厨二病だと切り

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虐待してきた親、いじめ加害者に責任はないのか?―僕という心理実験23 妹尾武治

虐待してきた親、いじめ加害者に責任はないのか?―僕という心理実験23 妹尾武治

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第2章 日本社会と決定論⑮―犯罪者と人加害者の気持ちに寄り添う態度

成功者を黙殺するというのと全く同じロジックで、犯罪者をただ断罪する態度も新しい時代の人類は再考せねばならない。極端な危険思想に思われるかもしれないが、少しだけ話を聞いて欲しい。

虐待を受けて育った子供が大人になると、自分の子供に虐待をしてしまうリスクが高まる。虐待の連鎖と呼ばれる現象だ。

連続児童

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全ての人が公平に認められる社会とは、成功者を崇めない社会―僕という心理実験22 妹尾武治

全ての人が公平に認められる社会とは、成功者を崇めない社会―僕という心理実験22 妹尾武治

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第2章 日本社会と決定論⑭―成功者を崇めない社会人間には優劣がない。犯罪者も成功者も一流アスリートも引きこもりもLGBTQも身体障害者も天才も学者もホームレスも、全ての人間は等しく価値があり、努力できるかどうかもただの運であり、事前に決まっていたことなのだ。

メディアに登場する人物は、一面だけを提示された虚像だ。誰も尊敬してはいけない。同時に誰も蔑んではいけない。長嶋茂雄

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新しい平等とは、人間を能力で評価しないこと―僕という心理実験21 妹尾武治

新しい平等とは、人間を能力で評価しないこと―僕という心理実験21 妹尾武治

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第2章 日本社会と決定論⑬―本当の平等とは何か?親は選べない

「努力できることが才能だ」と落合博満、松井秀喜、イチローは言う。私はこう思う。「努力出来る分野を発見し、それに労力を集中出来る環境にいる」ということは「運」なのだと。努力は自由意志に裏支えされない。

ゴルフの松山英樹選手の父親は、日本アマ選手権に出場経験があるゴルファーだった。恵まれた体躯、施された英才教

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