家族のいない自分に、私小説が書けるだろうか。|中森明夫、新刊を語る。
作家でアイドル評論家の中森明夫さんが、小説を上梓した。
タイトルの『青い秋』は、50代の終わりを迎えた中森さん自身の今を指す。
人生は収穫期を迎えた秋のはずなのに、ずっと青いままだという。本書は私小説だが、主題は「私」ではなく時代だ。
上京し、フリーライターとして仕事を始めた「青い春」。新人類の旗手として持ち上げられ、「おたく」を命名し、15歳の後藤久美子と16歳の宮沢りえを両脇に記念写真を撮った「青い夏」。
昭和から平成に続くキラキラ、ギラギラとした時間が甦る――。
イン