なぜ日本で「まともな議論」ができなくなったのか?|高橋昌一郎【第9回】
「白黒論法」と「単純化」一般に、物事をはっきりさせるために「白か黒か決着をつけよう」などということがある。相撲には「星取表」があるが、この表には勝てば「白星」、負ければ「黒星」が書き込まれる。これに類似した勝負の表は、囲碁や将棋をはじめとする多くの対戦型ゲームで用いられている。このように、結論を「白」か「黒」かのどちらかに二分させる思考法を「白黒論法」あるいは「二分法」と呼ぶ。
ところが、実は「白か黒しかない」という思考法は、論理的には完全に間違っている。というのは、碁石の