立川談春の『柏木』―広瀬和生著『21世紀落語史』【番外編】
2008年10月30日から5日間に亘り、東京・銀座の博品館劇場で開催された「源氏物語一千年紀祭特別公演」。前回の「思い出の名高座」では、11月1日に橘家文左衛門(現・文蔵)が演じた『明石』について書いたが、今回は公演初日の10月30日に立川談春が演じた『柏木』を、当時の日記をもとにご紹介しよう。この日は木曜だったが昼夜で2公演行なわれ、僕は夜の部を観た。これも『明石』同様、落語作家の本田久作氏が原作台本を書きおろしている。ちなみに昼夜で2公演あったのは最終日の三遊亭歌之介(現