#04_母ちゃんの作った「カツオの揚げ浸し」を食べながら「割り切れない」地方の食について考える|小松理虔
これぞ無限カツオ 梅雨の合間の、真夏みたいにカーンとした青空が広がった日の夕方、の、風呂上がり。艶かしいほど赤く美しい切身を箸で取り、すりおろしたニンニクをぎっちりと入れた濃口醤油につけて一息に口に放り込むと、爆発する旨味とともに「生きててよかった」というわけのわからない感慨に包まれる。分厚くカットした身はねっとりとした食感があり、豊かな余韻を残しつつ、旨味が喉の奥に消えていく。一切れ噛み終わるころにはすでに次の一切れに箸が伸びていて、合間に冷たく冷えたビールを挟みながら、二