車より電車、電車よりバイクが偉かった!? 60年前の日本、疾走するバイクのいる風景。
光文社新書で1年ぶりに続編が登場し、話題沸騰中の、昭和30年代の日本のカラー写真を集めた新刊『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』。第1弾の新書(382枚)を遙かに超える、544枚の写真が掲載され、内容・ボリュームともにパワーアップしています。
著者のJ・ウォーリー・ヒギンズさんは、米国出身で、日本と日本の鉄道を愛するあまり、日本に移住してしまった、現在92歳の老紳士です。
ここでは、大好評の同書の中から、コラムの一部を特別公開します!
写真と文/J・ウォーリー・ヒギンズ
【コラム:バイク天国】
安全上の配慮から、乗用車の場合、現在ではシートベルトの着用が義務づけられている。一方で、バイクの状況は、基本的には60年前と大きくは変わっていない。
バイクは、リスクを楽しむ人たちの乗り物だ。現在は、ヘルメットの着用が義務づけられているバイクだが、それ以外の安全面の意識は、ことバイクに関しては、60年前とあまり大きく変わっていないように見える。
東寺(京都府)1956年10月 バイクは突然フレームに飛び込んで来るから困る。シャッターを切るその瞬間にね。しまった! と思っても、もう後の祭りだ。特に、昔は、今のスマートフォンと違って、撮った写真をその場で簡単に削除できなかったからね。
福井市街(福井県)1964年5月29日 このバイクも土壇場で結構なスピードでフレームに割り込んできた。けれどもそういうアクシデントが、今回のように後で全然別のことに使おうとした時に写真の価値を上げたりするんだ。だから、何でもかんでも捨ててしまってはダメだ。とっておこう。いつか価値が出るかもしれない。
上本町(大阪府大阪市)1958年8月31日 左側の車のシャープの色鮮やかな宣伝も目をひくが、サングラスにランニング、サンダル履きのライダーも目立つ。
愛媛県庁前(愛媛県)1957年5月6日 珍しい白バイの写真。さすがに警
官はヘルメットを着用している。
新清水ー江尻間(静岡県)1958年7月19日 国鉄の跨線橋を疾走するバイク。当時のバイクは50ccをはじめ比較的小型のものが多かったが、相当なス
ピードで走っていた!
北野(京都府)1959年7月4日 自転車の人たちの視線を集めて疾走するバイク。
掛田駅付近(福島県)1965年1月24日 悪路もものともせず走るバイク。
高知市内(高知県)1962年5月24日 自動車を引っ張るようにバイクが走る。
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60年前の通りを疾走するバイクとその周囲の風景、お楽しみいただけましたでしょうか?
前作よりさらにパワーアップして発売された光文社新書『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』。当時を知る人も、知らない人も、たっぷり楽しめます。またご家族やご友人へのプレゼントにも、ぜひお買い求めください…!
未読の方は、第1弾もおすすめです。
◆◆好評マガジン◆◆
(1)未来から来た人|日本をこよなく愛する92歳の「撮り鉄」J・ウォーリー・ヒギンズさんのこと
(2)未収録カラー写真で楽しむ『60年前の東京・日本』①――60年前の日本。米国人撮り鉄を魅了した「どこまでも続く線路」とその先の風景
(3)未収録カラー写真で楽しむ『60年前の東京・日本』②――「子どもたちは、窓際が好き」米国人のカラー撮り鉄が記録した60年前の日本
(4)コラムの一部を特別公開!①――92歳の米国人・伝説の撮り鉄が選んだ「私が好きな60年前の日本」
(5)コラムの一部を特別公開!②――昔はこんな駅だった!? カラーで楽しむ60年前の懐かしの全国駅前風景