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#未来は決まっており自分の意志など存在しない
「そのままでいい ありのままでいい。だから変わろう。」―僕という心理実験33【最終回】妹尾武治
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「続きは本で!」
2021年の12月の時点で、本一冊分の原稿が仕上がっていた。編集の三宅さんはそれをWEB連載にしようと言った。
三宅編集長「100日後に死ぬワニ方式ですよ!」
妹尾「ナイスですね〜!」
西村とおるのようには言えなかった。だって死ぬから、事故死だから。
* * *
だが半年やってきて思った、三宅さん流石だなと。そりゃあ今年光文社の局長
大丈夫。僕たちが幸せになることは はじめから決まっているよ―僕という心理実験32 妹尾武治
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90年代からの20年ほど、心理学者は脳に憧れた。NCC (Neural Correlates of Consciousness)は、心をモノで語る夢を心理学者達に見せた。2000年はまさに“ルネッサンスジェネレーション”の幕開けだった。
外の世界には客観的事実、エビデンス・データ・モデルがある。少なくともそれで語り尽くせるように見える世界があった。
だが、人間はクオ
心を自分一人で治すのはとても難しい―僕という心理実験31 妹尾武治
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第3章 愛について⑤――「反応の仕方」が「その人らしさ」
人間には自分の言葉を駆使しても説明しきれない、意志とは呼べない無意識的な反応に導かれた「行動」がある。例えば目の前にズタボロの子犬が転がっていたとして、それを踏み付けて先に進む人間と、理由は言えずとも咄嗟に家に連れ帰ってしまう人間がいる。その「反応の仕方」こそが、おそらく「その人らしさ」と言われるものだろう。
世界
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、心理カウンセリングによる回復の過程―僕という心理実験30 妹尾武治
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第3章 愛について④――実験を無くすことを求める実験心理学者虐待死の家庭が報道されると「死ぬまでいじめられているのに、なぜ親から逃げられないのか?」と、多くの一般家庭の親子はそう思うらしい(わからないフリに過ぎないと思いたいが)。
人間には不思議な心理が沢山備わっている。親を疑って、4歳児が家出してしまうように心をプログラムされていたら、多くの子供が餓死して、社会が不安定
虐待親に向けられる「子供の献身的な愛」―僕という心理実験29 妹尾武治
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第3章 愛について③――愛を測った心理実験人間の共感力
2011年に心理学最高峰の学術雑誌サイコロジカル・サイエンスに「なぜ拷問は生まれるのか?」という論文が刊行された。ヒント無しで「冷凍庫の中に入るのはどの程度辛いか?」と考える場合、その辛さは実際に入った時に感じる辛さの主観値に比べ、過小評価されたものになる。
この質問の前に氷の入った冷水に手をつけさせて、それがか
生命・存在の本質が「情報」なら、身体は不要?―僕という心理実験28 妹尾武治
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第3章 愛について②――かなり“笑い”ができるAI爆笑は無理でも、クスッとはなるだろう。今、AIはかなり“笑い”ができる。
世界各地で、笑いを学習させ面白く答えさせるアプリ・SNSアカウントが存在する。膨大な数の大喜利のお題とその回答、そして人間がつけたその評価値を学習させる。すると始めてのお題に対しても、彼らは的確に答えられるようになる。ちなみに、劇場の漫才師の声と、
笑いとサルのマウンティング行為の関係―僕という心理実験27 妹尾武治
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第3章 愛について①――笑いと孤独志村けんと北野武
志村けんが、生前のインタビューで「どうしてコント一筋でずっと笑いを続けられるのですか?」という質問に対して以下のように回答している。
ある母子家庭の親子から一通の手紙が届いた。「志村さんのコント番組の1時間が、1週間で1番の救いになっています。コント番組を見ていれば、少なくともその1時間は辛いことを忘れられ、そして次
動物とセックスをする人間(動物性愛者)―僕という心理実験26 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑱―対等であろうとする努力濱野ちひろ『聖なるズー』
どこまでの多様性を認めうるのか。例えば動物とセックスをする人間、動物性愛者と呼ばれる存在はどうか? 人間が犬や猫といった動物と性交すること。異常な行為だと聞く耳を持たずに断罪し、自分から遠ざける人も多いだろう。
『聖なるズー』の著者、濱野ちひろは男性から10年にわたる暴力の支配を受けて来たこと
人が人を食べること―僕という心理実験25 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑰―正義がないなら悪もない食人文化
人が人を食べること。映画『ヒカリゴケ』では名優、三國連太郎がその様を、異常な目で怪演している。極限状態の人間を、ここまで演じ切ることが出来る三國は天才だとしか言いようがない。不遇な幼少期(支配階層の男性による母の性的搾取と、救ってくれた育ての父親の被差別の辛苦)の経験が、この目の実現の背景にあったことが察せられる
本当の「多様性」とは、平均値から大きく外れた異端をも内包すること―僕という心理実験24 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑯―僕と少年Aは地続きだ透明な存在
「今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、せめてあなた達の空想の中でだけでも実在の人間として認めて頂きたいのである。」
酒鬼薔薇聖斗事件で、少年Aは自分を透明だと言った。
自分を透明と表することの意味。これがわかるか、わからないか。もし全くこの言葉が理解出来ない(例えばただの厨二病だと切り
虐待してきた親、いじめ加害者に責任はないのか?―僕という心理実験23 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑮―犯罪者と人加害者の気持ちに寄り添う態度
成功者を黙殺するというのと全く同じロジックで、犯罪者をただ断罪する態度も新しい時代の人類は再考せねばならない。極端な危険思想に思われるかもしれないが、少しだけ話を聞いて欲しい。
虐待を受けて育った子供が大人になると、自分の子供に虐待をしてしまうリスクが高まる。虐待の連鎖と呼ばれる現象だ。
連続児童
全ての人が公平に認められる社会とは、成功者を崇めない社会―僕という心理実験22 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑭―成功者を崇めない社会人間には優劣がない。犯罪者も成功者も一流アスリートも引きこもりもLGBTQも身体障害者も天才も学者もホームレスも、全ての人間は等しく価値があり、努力できるかどうかもただの運であり、事前に決まっていたことなのだ。
メディアに登場する人物は、一面だけを提示された虚像だ。誰も尊敬してはいけない。同時に誰も蔑んではいけない。長嶋茂雄
新しい平等とは、人間を能力で評価しないこと―僕という心理実験21 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑬―本当の平等とは何か?親は選べない
「努力できることが才能だ」と落合博満、松井秀喜、イチローは言う。私はこう思う。「努力出来る分野を発見し、それに労力を集中出来る環境にいる」ということは「運」なのだと。努力は自由意志に裏支えされない。
ゴルフの松山英樹選手の父親は、日本アマ選手権に出場経験があるゴルファーだった。恵まれた体躯、施された英才教
太っているのは自己責任か?―僕という心理実験20 妹尾武治
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第2章 日本社会と決定論⑫―「太りなさい」という環境からの刺激太っているのは自己責任だと多くの人は思うだろう。しかし、こんなにも美味しいものが身近に溢れているのも自己責任なのだろうか。ハンバーガー、コーラ、スイーツが低価格で手に入る時代。「太りなさい」という環境からの刺激がここまで多量にあるのに、太っているのは自己責任なのだろうか?
同じように、使えるお金を計画的に計算