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農家はもっと減っていい 淘汰の時代の小さくて強い農業

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久松農園代表で、農業界指折りの論客である久松達央氏が、日本の農業の問題点をエビデンスに基づき、ロジカルに、実体験もふんだんに盛り込み、忖度なしで解説。プロフィールはこちら:㈱久松… もっと読む
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記事一覧

耕作放棄よりもよほど重大な「農地転用」

耕作放棄よりもよほど重大な「農地転用」

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑦㈱久松農園代表 久松達央

農業の兼業化の裏には、あまり語られない農家の「不都合な真実」があります。それが農地の転用問題です。食糧増産をスローガンに戦後農地開発が進み、耕地面積はピーク時の1961年には609万haに達しています。その後公共事業でさらに110万haもの農地が造成されているにもかかわらず、耕地面積は減り続けて現在は440万

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アランちゃんも喜んでいます!

Podcastを公開しました!

8月に刊行予定の久松の新著にまつわる様々なゲストをお迎えして雑談形式でお話を伺う『クロストーク 大淘汰時代の農業』をシリーズでお届けします。

今回は、8月に出る新著を担当してくれている光文社の編集者 三宅貴久さんにお話を伺いました。お相手は久松と中小企業診断士の岡安 裕一さんです。

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・光文社新書のコンセプト「知は現場にある」
・「良書幻想

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「送料無料」でホントにいいの?

「送料無料」でホントにいいの?

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑥㈱久松農園代表 久松達央

大きなトレンドには目を塞ぎ、「緊急対策」で目先の不満をガス抜きするのは農政の変わらぬ十八番です。コロナ禍の下でも「販売促進緊急対策事業」と称して、一部の農産品、水産品のEC販売の送料を無料にするというキャンペーンが行われています。

「農家や漁師を助けて下さい!」というフレーズは、とにかく一部の都市住民の心を

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アランちゃんも喜んでいます!
農家は「清く貧しい弱者」なのか?

農家は「清く貧しい弱者」なのか?

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業⑤㈱久松農園代表 久松達央

農業は清貧で善なるもの、という都市住民のイメージは大変根強いものです。農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は2020年時点で136万人。人口比でいうと1%ちょっとしかいませんので、大都市圏に住んでいる人はそもそも農業者と直接の接点がないのでしょう。

日本と米国の間に深刻な貿易摩擦があった1980年代から90

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いい本との出会いがありますように!
【連載 農家はもっと減っていい 番外編】②働きながらしか書けない

【連載 農家はもっと減っていい 番外編】②働きながらしか書けない

㈱久松農園代表 久松達央

私が1冊目の『キレイゴトぬきの農業論』を書いた直接のきっかけは、親しい友人の勧めです。本を書くということが何を意味するかも分からなければ、世に名を馳せて何事かを成し遂げようという「男子の本懐」も持ち合わせていない私に、友人は執筆を奨励し、編集者を紹介するまでしてくれました。そんな後押しを受けて、ようやく出版にこぎつけた怠惰な人間です。

私は、自分のものの見方を知ってく

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アランちゃんともども心から感謝しています!
【連載 農家はもっと減っていい 番外編】①頭と手で言葉を紡ぐ

【連載 農家はもっと減っていい 番外編】①頭と手で言葉を紡ぐ

㈱久松農園代表 久松達央

8月に刊行予定の新著の抜粋連載、たくさんの方に読んで頂き嬉しく思っております。今回は、本の中身を少し離れて、執筆に至った背景などを綴ってみたいと思います。

もともと長い文章を書いたこともなかった私が、たまたまご縁を頂いて2013年-14年に2冊の本を出しました。

サラリーマン家庭に育ち、ろくに準備もせずに農業の世界に飛び込んだ人間が悪戦苦闘する中で考えたことをまとめ

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アランちゃんともども心から感謝しています!
有機農業vs慣行農業の不毛な痴話喧嘩

有機農業vs慣行農業の不毛な痴話喧嘩

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業④㈱久松農園代表 久松達央

消費者に直接販売をしている農業者と話をすると、必ずと言っていいほど、「農薬のことで客から不快な質問をされた」というエピソードが出てきます。それに続くのは、不勉強な有機農家への愚痴の数々。有機農業の実践者である私に、いきなり銃口を向けてくる農家も多いので、まずはこちらが「非戦闘員」であることを示さないと会話が始

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アランちゃんともども心から感謝しています!
耕作放棄したっていいじゃないか

耕作放棄したっていいじゃないか

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業③㈱久松農園代表 久松達央

農業が抱える問題は何かを世の人に問うと、耕作放棄地を挙げる人が少なくありません。昔から農家が守ってきた農地が荒廃するのは見るに忍びない、というわけです。

日本中どこへ行っても車窓に広がる水田を、日本の原風景だと思う人は存外多いようです。しかし、実際には現在私たちが目にしているような平地での米づくりが広がった

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公共財にタダ乗りしておいて「自給自足」はないだろう? 

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【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業②㈱久松農園代表 久松達央

生産性や合理性ばかりを重視する資本主義社会に限界を感じ、地方での自給自足の暮らしの中で、ポスト資本主義の未来を探りたい。そんな考えで農業に関心を持つ人が、よく農園を訪ねてきます。田舎暮らし、農業という都会人にはヨダレの出そうなステーキに、反グローバリズム、脱成長、テクノロジーなど、時代の甘美なトッピングをまぶ

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アランちゃんともども心から感謝しています!
「農家」の8割は売上500万円以下という残念な事実

「農家」の8割は売上500万円以下という残念な事実

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業①㈱久松農園代表 久松達央

久松 達央(Tatsuo HISAMATSU)
株式会社久松農園代表。1970年茨城県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後,帝人株式会社を経て,1998年に茨城県土浦市で脱サラ就農。年間100種類以上の野菜を有機栽培し,個人消費者や飲食店に直接販売している。補助金や大組織に頼らずに自立できる「小さくて強い農業」

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