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農家はもっと減っていい 淘汰の時代の小さくて強い農業

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久松農園代表で、農業界指折りの論客である久松達央氏が、日本の農業の問題点をエビデンスに基づき、ロジカルに、実体験もふんだんに盛り込み、忖度なしで解説。プロフィールはこちら:㈱久松… もっと読む
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淘汰時代の農業サバイバル【Vol.2 京農園よしだ】惚れた過疎地で暮らし続けるために「みじめな範囲」を逸脱しない

淘汰時代の農業サバイバル【Vol.2 京農園よしだ】惚れた過疎地で暮らし続けるために「みじめな範囲」を逸脱しない

『農家はもっと減っていい 農業の「常識」はウソだらけ(光文社新書)』の著者である(株)久松農園代表の久松達央さんによる個別無料コンサルティング。第2弾は、京都市右京区京北地域で、環境負荷の少ない方法で旬のさまざまな野菜を栽培する京農園よしだの吉田修也さんと祥子さんが、縮みゆく中山間地域で暮らし続けることについて相談しました。

コンサルレポート第1弾はこちら。

今回の相談内容夫婦二人でできる範囲

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淘汰時代の農業サバイバル【Vol.1 かわばた園】中山間地での小さくて強い戦略の立て方

淘汰時代の農業サバイバル【Vol.1 かわばた園】中山間地での小さくて強い戦略の立て方

『農家はもっと減っていい 農業の「常識」はウソだらけ』(光文社新書)の著者である(株)久松農園代表の久松達央さんによる個別無料コンサルティング企画「実例に学ぶ!淘汰時代の農業サバイバル」

第1回は、静岡県清水区で茶を中心に栽培・製茶・販売を行っているかわばた園代表の佐藤寛之さんが、雇用や品目を含めた経営の方向性と、中長期的なマーケティングと販売管理について久松さんに相談しました。

相談内容・雇

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久松達央著『農家はもっと減っていい』より「はじめに」と目次を公開します。

久松達央著『農家はもっと減っていい』より「はじめに」と目次を公開します。

はじめに

「GDPのわずか2%に過ぎない農業が、工業製品の輸出を妨げている。農産物の関税など撤廃して、農業がだめになったら食料は輸入すればいい」

こんな意見を今の若い人が聞いたらびっくりするかもしれません。自動車や半導体で日本の貿易黒字が拡大し、日本の農産物市場が強い開放圧力を受けていた1980年代には、メディアにもこのような意見が盛んに登場していました。

農民や業界団体は、輸入自由化反対の

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8/18発売の久松達央 『農家はもっと減っていい』の目次を公開します。

まもなく発売の久松達央 『農家はもっと減っていい  農業の「常識」はウソだらけ』(光文社新書)の目次を先行公開します。


それぞれの章は独立していますので、どこから読んで頂いても大丈夫です。どなたにも刺さる部分が必ずあるはずです。読みたい、と思った方はぜひご予約をよろしくお願いします。

小さい農家は「差別化」してはいけない

小さい農家は「差別化」してはいけない

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑨㈱久松農園代表 久松達央

新刊のご予約はこちらから!

久松農園では、多くの人に売れそうなもの、をつくるのではなく、まず自分たちが食べたい野菜をつくり、それをお客さんにおすそ分けする、という順番でつくるものを選びます。

大根を例に取ると、最近では紫や緑色などの品種もポピュラーになり、マルシェなどではカラフルな大根を目にする機会も増え

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Podcast更新中!(22-07-14)

8月に刊行予定の久松の新著にまつわる様々なゲストをお迎えして雑談形式でお話を伺う『クロストーク 大淘汰時代の農業』をシリーズでお届けしています。

光文社の編集者 三宅貴久さん
 ・光文社新書のコンセプト「知は現場にある」
 ・「良書幻想」と本を売ること
 ・編集者にとって農業はどんなネタなのか?

㈱Hosta代表 中山香織さん
 ・マスに対してつくって売るコンビニの商品開発の実際
 ・コンビニ

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「大規模農家」は一般社会では零細企業

「大規模農家」は一般社会では零細企業

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑧㈱久松農園代表 久松達央

判官びいきの風潮が強い日本では、小さくて弱い存在に同情が集まりがちです。大型機械を乗りこなす大規模農家や、LEDの下でロボットがレタスの苗を植える植物工場は、「清く貧しい農家」好きの面々のお気には召さないようです。農業は株式会社に向かない、とか、横暴な大規模農業が家族農業を蹂躙する、とかいうことを堂々と主張す

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耕作放棄よりもよほど重大な「農地転用」

耕作放棄よりもよほど重大な「農地転用」

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑦㈱久松農園代表 久松達央

農業の兼業化の裏には、あまり語られない農家の「不都合な真実」があります。それが農地の転用問題です。食糧増産をスローガンに戦後農地開発が進み、耕地面積はピーク時の1961年には609万haに達しています。その後公共事業でさらに110万haもの農地が造成されているにもかかわらず、耕地面積は減り続けて現在は440万

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Podcastを公開しました!

8月に刊行予定の久松の新著にまつわる様々なゲストをお迎えして雑談形式でお話を伺う『クロストーク 大淘汰時代の農業』をシリーズでお届けします。

今回は、8月に出る新著を担当してくれている光文社の編集者 三宅貴久さんにお話を伺いました。お相手は久松と中小企業診断士の岡安 裕一さんです。

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・光文社新書のコンセプト「知は現場にある」
・「良書幻想

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「送料無料」でホントにいいの?

「送料無料」でホントにいいの?

【連載】農家はもっと減っていい:大淘汰時代の小さくて強い農業⑥㈱久松農園代表 久松達央

大きなトレンドには目を塞ぎ、「緊急対策」で目先の不満をガス抜きするのは農政の変わらぬ十八番です。コロナ禍の下でも「販売促進緊急対策事業」と称して、一部の農産品、水産品のEC販売の送料を無料にするというキャンペーンが行われています。

「農家や漁師を助けて下さい!」というフレーズは、とにかく一部の都市住民の心を

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農家は「清く貧しい弱者」なのか?

農家は「清く貧しい弱者」なのか?

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業⑤㈱久松農園代表 久松達央

農業は清貧で善なるもの、という都市住民のイメージは大変根強いものです。農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は2020年時点で136万人。人口比でいうと1%ちょっとしかいませんので、大都市圏に住んでいる人はそもそも農業者と直接の接点がないのでしょう。

日本と米国の間に深刻な貿易摩擦があった1980年代から90

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【連載 農家はもっと減っていい 番外編】②働きながらしか書けない

【連載 農家はもっと減っていい 番外編】②働きながらしか書けない

㈱久松農園代表 久松達央

私が1冊目の『キレイゴトぬきの農業論』を書いた直接のきっかけは、親しい友人の勧めです。本を書くということが何を意味するかも分からなければ、世に名を馳せて何事かを成し遂げようという「男子の本懐」も持ち合わせていない私に、友人は執筆を奨励し、編集者を紹介するまでしてくれました。そんな後押しを受けて、ようやく出版にこぎつけた怠惰な人間です。

私は、自分のものの見方を知ってく

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【連載 農家はもっと減っていい 番外編】①頭と手で言葉を紡ぐ

【連載 農家はもっと減っていい 番外編】①頭と手で言葉を紡ぐ

㈱久松農園代表 久松達央

8月に刊行予定の新著の抜粋連載、たくさんの方に読んで頂き嬉しく思っております。今回は、本の中身を少し離れて、執筆に至った背景などを綴ってみたいと思います。

もともと長い文章を書いたこともなかった私が、たまたまご縁を頂いて2013年-14年に2冊の本を出しました。

サラリーマン家庭に育ち、ろくに準備もせずに農業の世界に飛び込んだ人間が悪戦苦闘する中で考えたことをまとめ

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有機農業vs慣行農業の不毛な痴話喧嘩

有機農業vs慣行農業の不毛な痴話喧嘩

【連載】農家はもっと減っていい:淘汰の時代の小さくて強い農業④㈱久松農園代表 久松達央

消費者に直接販売をしている農業者と話をすると、必ずと言っていいほど、「農薬のことで客から不快な質問をされた」というエピソードが出てきます。それに続くのは、不勉強な有機農家への愚痴の数々。有機農業の実践者である私に、いきなり銃口を向けてくる農家も多いので、まずはこちらが「非戦闘員」であることを示さないと会話が始

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