1+1=2ではない!? 誰も検証してこなかった真実|森本恭正
小学生の私が、同級生の子から投げかけられた言葉だ。吹いていたのは、学校から買わされた廉価なエボナイトのリコーダー。私は特に上手だった。しばしば、先生の代わりに吹いた。指名されたことの嬉しさより、ああ、これで、あの先生の固く割れた音を聴かなくて済む、という安堵感の方が強かった。そんな私だから、自分が入ると合奏が合わないと言われて、仰天した。
「君、何言ってるんだ」
と言い出しそうになったが、一方、「合奏が合わない」という事もわかっていて、慌てて口を噤んだ。誰も自分の笛につい