4:イングランドの「夢」とは、なんだったのか?——『教養としてのパンク・ロック』第18回 by 川崎大助
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第2章:パンク・ロック創世記、そして、あっという間の黙示録4:イングランドの「夢」とは、なんだったのか?
この当時、77年のイギリス社会がどれほど病んでいたか。端的に述べると、こうだ。「IMF(国際通貨基金)から融資を受けねばならないほどの、最悪の財政状態だったのだ」と。国家として、ほぼ破綻していたのだと。
76年、辞任した労働党ハロルド・ウィソン首相のあとを受けた同ジェームズ・キャラハン内閣は、猛烈なスタグフレーションによるポンド安危機に対