光文社新書
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なぜ「新幹線」は世界に誇ることができるのか?|高橋昌一郎【第10回】
「世界で最も安全な高速鉄道」もしパーティが開かれたら、何時に訪問するかという「エスニック・ジョーク」がある。パーティの開始時刻前、すでに到着して待っているのが日本人である。開始時刻ちょうどにドアをノックするのがイギリス人、20分遅れるのがフランス人、30分遅れるのがイタリア人である。さらに、40分後にスペイン人、1時間後にイラン人、2時間後にポリネシア人が到着する。ちょうどその頃、ようやく自宅から
もっとみる「なぜかお金がある人たち」研究|辛酸なめ子
「景気が良い人たち」の不思議 先日、記者やライターとして長い経歴を持つ少し年上の友人と話していて、「そういえばこの30年間、原稿料って全然上がってないんですよね」と言われ、ハッとしました。物価上昇を身にしみて感じていたので、もしかしてこれが「スタフグレーション」というものかもしれません……と、書いて検索したら正しくは「スタグフレーション」だったことが判明し、意識の低さを痛感。友人に「いや、それどこ
もっとみる時間の終わりまで|馬場紀衣の読書の森 vol.34
誰かに教えてもらわなくても、とうに私たちは知っている。どんなものもやがては亡びてしまうし、自分の住処である惑星でさえ、いつかは滅びてしまうということを。私たちは知っている。永続するものなど何もないし、自分が消滅した後も世界は何事もなかったかのようにありつづけるということを。日常生活では、なんでもないように振る舞ってはいるけれど。
こうした認識は、自分がつかの間の存在であることを気づかせてくれる。
【1月18日開催】『毒母は連鎖する』発売記念トークイベントのお知らせ
光文社新書『毒母は連鎖する』著者の旦木瑞穂さんと漫画家・ライターの田房永子さん、漫画家・イラストレーターの尾添椿さんのトークイベントが開催されます。
母親の過干渉を描いた『母がしんどい』で大きな反響を呼んだ田房さん、心理的虐待をする両親と絶縁するまでのご自身の経験を描いた『生きるために毒親から逃げました。』などの著作がある尾添さんとともに、“毒親”の成り立ちや、“毒親”や自分自身、そして子どもと
新刊の内容を3分で! 光文社新書2023年12月刊
①旦木瑞穂『毒母は連鎖する』子どもを自らの所有物のように扱い、負の影響を与える「毒親」。その中でも目に見える形ではなく、精神的で不可視なケースが多い「毒母と娘」の関係にフォーカスし、現代社会が強いる「家庭という密室」の闇に、8人の取材から迫る。
②小林哲夫『京大合格高校盛衰史』天才たちは「西」の最難関に何を求めてきたのか? 自由の校風と最先端研究を目指して繰り広げられた京大受験の歴史を、1949
私の半分はどこから来たのか|馬場紀衣の読書の森 vol.33
まず、表紙に惹かれた本だ。透明な身体を抱き寄せるようにして、こちらを見つめる人がいる。読み始めると、表紙の人が自分を抱き寄せているようにも、水のように流れてしまいそうな自分をすくいあげているようにも見えてくる。
自分は何者なのかと問うとき、親や祖父母の存在を意識せずにはいられない。子どもは血縁という大きな流れの中で育つから、家族との関係を考えることは、私という存在を考えることでもある。私はたしか