光文社新書
数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見いきます。まだ見ぬ景色を求めて——。いざ出発!
知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。
毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。
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人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!
イエロータワー朝、太陽が昇るのと同時に目が覚めた。二時間以上続けて眠ることは出来なかったが、体調は悪くない。一度、標高の低いベースキャンプまで戻り、休養日を設けて体を回復させた。二日後、再度、ハイキャンプ、キャンプ1、そして今度はキャンプ2まで進んでいく。キャンプ1から上は切り立った稜線を歩き、いくつもの岩壁をロッククライミングしながら登っていかなくてはならない。 キャンプ2の直下までやってくると、イエロータワーと呼ばれる壁が現れる。イエロータワーはアマ・ダブラム登山におい
「死にたい」が綴られた143のサイト2023年4月13日午前4時前、制服を着た女子高生2人が手を繋いで裸足で立っている動画がTwitter(X)に配信された。2人が携帯カメラの前に立っている場所は、千葉県松戸市の巨大複合マンション最上階10階のテラス端である。 一人が「怖い、怖いよ」と何度か繰り返すが、もう一人が励ますように「大丈夫。行こう」と言う。そして「せーので行くよ」と叫び、「せーの」の掛け声で2人は後ろ向きに倒れて姿が消える。数秒後に「ドシッ」という地面との衝突音が
1 spring[春]
ゴッホに好きな星はあったのか?オランダ生まれのフィンセント・ファン・ゴッホ(1853ー1890:ファンは苗字の一部なのでファン・ゴッホとするのが正しいが、本書ではゴッホとさせていただく)。フランスのポール・ゴーギャン(1848ー1903)やポール・セザンヌ(1839ー1906)らとともに、ポスト印象派を代表する画家である。 ゴッホといえば、思い浮かぶ絵は《ひまわり》かもしれない。また、《自画像》も有名である。しかし、他にも顕著な特徴を持つ作品をゴッホの絵に見出すことができる
はじめに 「女の子はおとなしくていいよね。男の子は本当に大変だから」 子育てをする親同士の会話で、よく耳にしそうな言葉です。 子どもにかかわるときに、私たちは色々なことの原因を、子どもの性別に求めます。実際には、育てやすい男の子もいれば、手のかかる女の子がいるにもかかわらずです。 これ以外にも、子どもの能力や行動、得意不得意を、性別によって決めてしまう大人の傾向は珍しいものではありません。女の子はピンク色が好きだとか、男の子のほうが数学は得意であるとか、口にしたこ
「ネット世論」は「世論」ではない古代ギリシャ哲学者プラトンの「洞窟の比喩」によれば、人間とは、洞窟の中で暗い壁の方向しか見えないように縛られた囚人のようなものである。洞窟の外では太陽が光り輝いていて、そちらは「イデア」の世界である。ところが、洞窟の中にいる人間は、入ってきた光の影が壁に映るのを見ることしかできない。人間が認識するのは、イデアの「影」の世界にすぎないというのである。 たとえば「完全な正三角形のイデア」は、人間が直接見ることができない洞窟の外にある。人間がいくら