光文社新書
記事一覧
なぜ「法の番人」が腐敗してしまうのか?|高橋昌一郎【第19回】
警察・検察・法務省・裁判所の腐敗日本で新たに警察職員となった者は、次の宣誓書を任免権者に提出しなければならない。「宣誓書 私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党かつ公平中正に警察職務の遂行に当たることを固く誓います」(国家公安委
もっとみる伝説の野草茶を求めて|辛酸なめ子
八ヶ岳の秘密結社 そのお店の話題は、健康に詳しい人や、カフェをやっている人などから何度か聞いたことがありました。山の中に知る人ぞ知るお店があって、女主人が調合した野草茶が売られている。その野草茶は行ってすぐ買えるわけではなく、そのお店の女主人が、この人なら、と認めた人しか買えない。何人かで行ったけれど、許しが出なくて買えなかった人がいる、というどこか秘密結社のような集まりで。関門を突破しなければ買
もっとみる男子という闇|馬場紀衣の読書の森 vol.42
人気のない夜道をひとりで歩いているとき。古臭い因習に遭遇したとき。思うことがある。男の子だったらよかったのに、と。「女の子だった私には、男の子の方が何かと楽なように思えたから」。これは、私の言葉ではない。この本の作者であり、女の子と男の子を一人ずつ育てる母親で、ワシントンポスト紙の報道記者でもある著者の言葉だ。そして、世の女の子たちの内なる声でもある。
アメリカでは男性の約4人に1人が生涯のうち
新刊の内容を3分で! 光文社新書2024年3月刊
①本道敦子 山谷真名 和田みゆき『〈共働き・共育て〉世代の本音』当事者インタビューで明らかになった〈共働き・共育て〉を志向するミレニアル世代の本音、特に子育てする男性の苦悩――。企業、マネジメント層、そして当事者が取るべき対策は?【解説・佐藤博樹】
さらに詳しくはこちら
②室橋祐貴『子ども若者抑圧社会・日本』政治に閉塞感が漂う日本。先進諸国で若い政治リーダーが台頭している中、なぜ日本だけ変われ
肥満男子の身体表象|馬場紀衣の読書の森 vol.41
セルバンテスの『ドン・キホーテ』を読んだ。私はこの物語がほんとうに好きだ。愛読する騎士道文学の影響を受けたキホーテは、狂った細い男で「あまりにひょろ長く、やせて、顔もこけて、脂肪がなく、柔軟性もなく、まるで結核で衰弱してしまったかのようにかなりやせ衰えている」。一方、飲食のために生きているサンチョ・パンサ(召使い)は「大きな腹部に、背丈が低く、長いすね」という姿。不自然にせりだした腹部というのは、
もっとみる