光文社新書
光文社新書の公式noteです。創刊は2001年10月17日。光文社新書の新刊、イベント…
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『衣服のアルケオロジー』|馬場紀衣の読書の森 vol.13
わたしの知り合いに、とかく朝の準備の早い人というのがいるけれど、大ブルジョワジーの社会では、「申し分ない」女性として認められるためには、衣装をひっきりなしに、ときには8回も、脱ぐことと着ることを繰りかえさなくてはならなかった。19世紀フランス社会に生きる女性にとって、身づくろいは、おおごとだったのだ。
身づくろい、といっても、髪をとかしてクローゼットから服を引っぱりだして、というわけにはいかない