光文社新書
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来日して気付いた日本とイタリアのコミュニケーションの決定的な違い|パントー・フランチェスコ
まえがき
本書は「遠慮」「建前」「気づかい」などをはじめとした、日本社会のコミュニケーションの特徴やその背景にある考え方について論じている。
こうやって言うと、偉そうに聞こえるかもしれない。まず、私は何者なのか、この本を書いたきっかけ、この本を通じて伝えたいメッセージを記したい。
筆者はイタリア生まれ、イタリア育ちのイタリア人。生まれてから18歳までをシチリア島で過ごした後、医学部に通うため
【光文社新書】2023年9月刊4冊の内容を3分で!
①パントー・フランチェスコ『日本のコミュニケーションを診る』私たちはなぜ周りに流されてしまうのか。なぜ人の弱さを認められないのか。心の診察を通じて多くの日本人と向き合ってきたイタリア人精神科医が診る、日本社会のコミュニケーションの本質とは。
②高橋昌一郎『新書100冊』いま、本当に必要な知識とは何か? 何を読めばいいのか? 多彩な分野のエッセンスをこの1冊に凝縮。学問の最先端から、きょうのニュー
『色のコードを読む』|馬場紀衣の読書の森 vol.26
「象の息」「ポテッド・シュリンプ」これ、なんのことか分かるだろうか。じつは、色の名前なのだ。ちなみに「象の息」は温かな灰色で、「ポテッド・シュリンプ(英国の伝統的なエビ料理)」はエビ色。変わった色の名前は他にもある。「デンマークの芝生」「パリの泥」「野ねずみの背中」。このあたりは、なんとなく色のイメージが浮かんでくる。18世紀の中国には「ラクダの肺」「したたり落ちる唾」なんていうのもあった。どんな
もっとみる第15回 80年代に林真理子が描いた「女ともだち」の揺れる関係|三宅香帆
林真理子は、読まれているけど、読まれてない本連載では、林真理子のことを評した本を第3回で扱った。
そう、林真理子こそ、読まれているけれど読まれていない作家のひとりなのだ。
たしかに、林真理子の小説はベストセラーがいくつもあるし、エッセイも広く読まれてきた。『週刊文春』と『anan』の二誌にずっと連載を持っている作家なんて、おそらく後にも先にも林真理子以外に現れないだろう。
だが一方で、彼女の